梅雨もあっという間に過ぎ去ってしまい、全国的に連日の猛暑日が続いています。暑い夏こそアイスコーヒーが美味しい季節。皆さんはアイスコーヒーをご自分で淹れたりしますか?アイスコーヒーに合うコーヒーは深煎りコーヒーとよく聞きますが今回は浅煎りコーヒー豆で作るアイスコーヒーについて考えてみたいと思います。
美味しいアイスコーヒーとは?
人が美味しいと感じる温度帯が大きく関係しているようです。個人差はあるけども一般的に人間の体温のプラスマイナス25〜30度が美味しいと感じる温度帯だそうです。体温が36度なら温かいものは、67〜61度、冷たいものは6〜12度アイスコーヒーの温度を測ると4度から5度でした。温度が冷たくなればなるほど、味が少しボンヤリしてきます。少し味を濃いめで仕上げた方がより一層アイスコーヒー美味しく感じます。
アイスコーヒーには浅煎りは合わないと思われがちなのはなぜ?
- アイスコーヒーは苦くてコクがある方が良いという先入観
- 飲み慣れていないために、酸味が苦手な人が多い
昔は、まだ日本には品質の良いコーヒー豆が輸入されておらず、なんとか美味しく飲めないか、という試行錯誤で培われた深入りコーヒーが主流だったそうです。最近ではスペシャルティコーヒーのように品質の良いコーヒー豆が出回るようになり、コーヒー豆の特徴を生かした浅煎りコーヒーが飲まれるようになったようです。歴史を考えると、まだまだ日本では浅煎りコーヒー文化は根付いたばかりと言えます。
アイスコーヒーに合う浅煎りコーヒーを考える!
コーヒーの温度が下がるにつれ苦味よりも酸味を強く感じ始めます。この酸味が強く出る部分がアイスコーヒーに適さないと思われてしまう要因かもしれません。酸味だけではなく甘味や苦味コクも感じるバランスの良いコーヒー豆を選ぶ事をおすすめします。
焙煎の度合いにより感じるテイストも変わってきます。おすすめは、ミディアムロースト。
コーヒーらしいこうばしい香りと、まろやかさのある酸味、ほんのわずかな苦味も感じられます。少し酸味が気になる方は、その1つ上のハイローストにすると少し酸味が落ち着きます。
美味しい浅煎りアイスコーヒーへのアプローチ
今回はハンドドリップの入れ方です。まず、短時間で落とし終えること。点滴ドリップではなくサーッと粉を攪拌するようにドリップしましょう。酸味が特徴ですが、酸っぱくなり過ぎると飲みにくくなります。刺さるような酸っぱさを感じるようならば、粉の引き目を細かくしてみて下さい。
甘味の成分を溶け出やすくなるために、お湯と粉の接触を増やして、甘さを軸に全体のバランスが丸くなり、もっと飲みやすく優しい味わいになるはずです。
これがおすすめ!浅煎りアイスコーヒーに合うコーヒー豆
■パナマ ベルニナ農園 チェリー・テロワール
まるでワインのような繊細なフレーバーと、深くキレイな味わいが特徴的です。飲み口がクリアーで、心地の良い軽さの酸味が感じられます。これはチェリー・テロワールにしか出せない味わいです。チェリー・テロワールとは、ナチュラルのワイニー精製の一種です。樹上で過完熟させて干しぶどうのようになったチェリーを収穫し、12時間天日乾燥させ含水率が10%になるまで乾燥させます。
チェリー・テロワールはドライ・オン・ツリーのように樹上で完全乾燥はさせずに、過完熟させるところで収穫されます。年代物のワインを思わせるフレーバーと自然な甘さが特徴です。樹上で乾燥させているため、果実の複雑な成分がしっかりとコーヒーに移っています。ワイニー系といっても、他のワイニーよりもカドが取れて丸くなり、味わいは繊細で複雑に、そしてワイニーフレーバーの余韻が長く続きます。
■エチオピア グジ G1 ナチュラル
コーヒー発祥の地と呼ばれるエチオピアは、特に品質の高いアラビカ種が収穫できる国の一つです。特徴はグジのコーヒーの木の若さにあります。平均樹齢が14.5年と若く他のエチオピア産のコーヒーとは風合いが違いストロベリーのようだと評されています。精製方法はナチュラル製法。ナチュラルはコーヒーチェリーに果肉が付いた状態で乾燥させる伝統的な加工法です。コーヒーはものすごくフルーティーな味わいに仕上がります。
■グアテマラ アンティグア SHB
グアテマラのコーヒーは、フルーティーな香りがあり、しっかりとした酸味とコクが特長です。クセもなくて後味もスッキリしています。グアテマラはグアテマラの国土の70%は山岳地域で火山が3つ存在しています。その火山の影響で土壌が火山灰になり水捌けが良くミネラルも豊富に含まれています。また昼夜の寒暖差が激しくしっかりとコーヒーの実が引き締まるため良質で美味しいコーヒーが仕上がります。
最後に
今回はアイスコーヒーと浅煎りコーヒーの相性について書いてみました。コーヒーの味に正解はなく趣向が全てです。コーヒーの世界を知れば知るほど奥が深いです。この機会にぜひ、ご自分に合ったコーヒーを探してみて下さい。
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