日本の四季は本当に綺麗ですね。世界の中で季節に四季がある国は珍しいようです。更に稀有なのが3か月ごとに季節が同じように変わる事だそうです。その季節の移り変わりに合わせてコーヒーをチョイスするのも面白いのではないでしょうか。特に春は彩り華やかで人を明るくしてくれます。気分はもちろん、衣服や食べ物にまで影響を与え、特に春の和菓子は繊細で綺麗で、どこか可愛いです。そんな春の和菓子に合うコーヒー豆をご紹介していきます。
春の和菓子の特徴は、日本の春を代表する桜をモチーフにしている物が多いです。特に多い物が、実際に桜の花びら塩漬けを使用した和菓子です。甘い和菓子の中にほんのりと塩味と酸味を感じると、どこか優しい繊細な甘さになります。その繊細で優しい甘さに寄り添えるコーヒー豆とは何か考えていきます。
ほんのり塩味な優しい甘さに合うコーヒーとは
甘味にコーヒーが合うのはとうぜん理解できますが、それが塩味になるとコーヒーに合うのか?塩味とコーヒーを考えるなんて想像もしていませんでした。
答えはズバリ、塩味とコーヒーは合います。
世界の各地でも塩を入れて飲むコーヒーは数多く存在しています。塩を入れる飲み方の発祥はエチオピアと言われています。代表的なのがエチオピアの伝統的な飲み方で『カリオモン』と呼ばれお客様をもてなす時に行う伝統行事です。日本の茶道のように淹れ方から飲み方までの作法があり2杯目に塩をくわえて飲むそうです。
エチオピアのコーヒーは酸味が強いので和らげる効果として塩を使用したようです。実際にコーヒーに一つまみ岩塩(入れすぎ注意)を入れてみて下さい。苦味と酸味が和らいで、ほんのり塩味と甘味を感じる美味しいコーヒーになります。騙されたと思って一度、試してみて下さい。私も美味しくて、かなりビックリしました。
春の和菓子に合うコーヒー豆 3選
甘味と塩味にはコーヒーの苦味や酸味を和らげる効果があります。そこを踏まえて考えると、バランスの取れたコーヒーよりはある程度、個性がハッキリしたコーヒーが合うように思います。そこで甘じょっぱい春の和菓子に合うコーヒー豆を3つご紹介します。
①エチオピア グジ G1 ナチュラル
エチオピア南部オロミア州グジ 標高2000mを超える高地にあります。ちなみにG1とは、グレードワンの事で一部の豆にしか適応されない最高級グレードの称号です。
オススメ焙煎度は、ミディアム(中煎り)
まず香りがラズベリーのような春の香りが最高です。ほんの少しスパイシーさを感じますが、アプリコットのような爽やかな酸味と甘み、後味にチョコレートを感じます。口当たりも抜群に滑らかです。甘じょっぱい和菓子に合わせると、酸味は少し落ち着き甘さが引き立ちます。
②ケニア キアンデリ AA
アフリカ大陸にあるケニア、実は紅茶の名産地です。コーヒー栽培を始めたのは19世紀からと、わりと新しいコーヒー産出国なのですが品質の高さからバリスタからの人気が高いコーヒー豆です。AAとはグレードの高さを表しています最高級品の証と言えます。
オススメ焙煎度は、ハイロースト(中煎り)
フレーバーはカシスやプルーンを思わせる華やかな風味が特徴的で果実味あふれるフルーティな酸味とカカオや黒糖を感じる後味が癖になります。甘じょっぱい和菓子と合わせると、酸味はフワッと残りますが黒糖のような甘味が口に残る絶妙なバランスを感じられます。
③ルワンダ シンビ・ウォッシングステーション ハニー
ルワンダ南部州にあるフエ(Huye)市のシンビ地区に位置するウォッシングステーションです。精製方法はハニープロセス製法、複雑な味わい深い仕上がりです。ハニープロセスとは、完熟コーヒー果肉を取り除いた後、コーヒーの豆の周りに付いたミューシレージと呼ばれる粘液質を残してじっくり乾燥させることで、ミューシレージの旨味が豆に移り、ハチミツを思わせる甘い香りやテイストを持つコーヒーに仕上がります。
オススメ焙煎度は、シティーロースト(中深煎り)
ハニープロセスにより口当たりは滑らかで香りも芳醇です。オレンジのような酸味は残しつつ、後味はキャラメルのようなコーヒーです。甘じょっぱい和菓子と合わせると、少し深煎りに仕上げた事によりコクや苦味はまろやかになり、ほんのり酸味を感じる後味になります。
最後に
今回は春の和菓子に合うコーヒーについてご紹介させて頂きました。改めてコーヒーの可能性は無限大で奥が深いと痛感しました。塩味にも合うコーヒーなんて想像もしていませんでした。もう何にでも合うと言ってしまっても過言ではありません。この機会に是非、四季折々の色々な食べ物と、それに合うコーヒーをご自分なりに探してみては如何でしょうか。