コーヒーの生豆と焙煎後の豆では成分はどう変化する?注目すべき栄養成分は?

コーヒーの注目すべき栄養成分

コーヒーといえば、カフェインのイメージがありますよね?

しかしながら、実際のところ、コーヒー豆(生豆)にはカフェインよりポリフェノールのほうが多く含まれています。コーヒー1杯(約140㏄)あたりのポリフェノール含有量は約280mgとなり、赤ワインと同程度、緑茶の約2倍に相当します。

また、コーヒーの主成分は水分です。コーヒーの構成成分のうち、水分は98%以上を占めるともいわれます。カフェイン、ポリフェノールをはじめ、コーヒー独特の風味を作り出す成分は、全体の2%未満に過ぎないのです。

コーヒーの成分でおなじみのカフェインですが、成分量で考えるとあまり多くはないのです。

今回はそんな意外な一面のあるコーヒーの成分について紹介します。

三大栄養素が豊富なコーヒー生豆

三大栄養素が豊富なコーヒー生豆

コーヒーの生豆は、コーヒーノキから採れるコーヒーチェリーの種子です。

種子として次世代のコーヒーノキの芽を息吹かせるゆえに、栄養成分は豊富であり、三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)を多く含みます。

生豆の構成成分は、水分、カフェイン、アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸など)、クロロゲン酸類、酸(クエン酸、リンゴ酸、キナ酸、リン酸などクロロゲン酸類以外の酸)、脂質、タンパク質、多糖類(繊維など)、少糖類(ショ糖)、灰分です。特に、生豆の構成成分において、炭水化物である多糖類は半数を占めます。

生豆は熟成・乾燥すると水分・多糖類が減少する?

生豆は、収穫から経過した時間・保存期間に応じて、「ニュークロップ(収穫から数ヶ月以内の生豆)」「カレントクロップ(収穫から数ヶ月後の生豆)」「パーストクロップ(収穫から1年経過したコーヒー豆)」「オールドクロップ(収穫から2年以上経過したコーヒー豆)」と分類されますが、保存期間に伴い、生豆の成熟・乾燥が進みます。

収穫年度産のコーヒー豆(ニュークロップ、カレントクロップ)は、多糖類が構成成分の半数を占め、水分量も12~13%と多いです。一方、収穫から時間が経過した生豆(オールドクロップ)では水分、多糖類の含有量は減り、脂質が多糖類を上回ります。

【焙煎前 生豆の成分】
全多糖類(炭水化物) 約50.0%
少糖類 約7%
脂質 約15%
遊離アミノ酸 約2%
タンパク質 約12%
全クロロゲン酸類(ポリフェノール) 約7%
カフェイン約1.5%
トリゴネン 約1%
脂肪族酸 約2%
無機成分 約3%

これは例ですが、焙煎前はこのような成分量です。ここから焙煎すると、コーヒー豆の成分はどのように変化していくのでしょうか?

焙煎によって大きく軽くなるコーヒー豆

生豆は、直火・熱風で数分間、焙煎(ロースト)すると水分が蒸発します。焙煎後の生豆は、構成成分に対する水分含有量は減り、少し軽くなりますが、豆が膨張して大きくなるために体積は増します。

生豆の構成成分は、焙煎過程を通じて変化を遂げ、成分バランスによって、コーヒーの味(酸味・苦味など)、色、香りが形成されます。

【焙煎後 生豆の成分】
全多糖類 約30%
少糖類 約0~3.5%
脂質 約16%
遊離アミノ酸 0%
タンパク質 約13%
全クロロゲン酸類(ポリフェノール) 約1.2%
カフェイン 約1%
トリゴネン 約0.5%
脂肪族酸 約1.5%
無機成分 約4.5%
腐食酸 約16%

焙煎前に比べると数値が変わっているのがわかります。特に少糖類や全クロロゲン酸類(ポリフェノール)には違いが出て、カフェイン量も微量ながら焙煎によって減少しています。

なお、生豆には栄養成分が豊富に含まれますが、一般的な抽出方法では、微量の栄養成分しか取り出せません。それゆえ、コーヒーの主成分は水分(全体98%以上)となるのです。

コーヒーの代名詞といえるカフェイン

成分量が多くないとはいってもコーヒーといえば、カフェインですよね。

カフェインはコーヒー豆をはじめ、カカオ豆、茶葉などの食品植物に豊富に含まれる成分です。独特の苦みがあり、水溶性のため、お湯の温度が高いほど溶け出しやすい性質をもちます。

カフェインには、覚醒作用、血管拡張作用、交感神経刺激(基礎代謝促進)、胃酸分泌促進作用(消化促進作用)、利尿作用、抗疲労作用があります。カフェインを摂取すると、脳の活性化(集中力・思考力・記憶力の向上)、胃もたれ・消化不良の抑制が期待できます。

特に覚醒作用を利用してコーヒーを眠気覚ましに飲む人は多いですよね。ただ、眠気覚まし以外にも胃もたれの抑制にも効果があるので食事と一緒に飲むと良いでしょう。

また、交感神経が刺激され、体脂肪の燃焼が促進されるともいわれます。よく、有酸素運動の30分前にコーヒー1杯を飲むことでダイエット効果が期待できるといわれるのは、カフェインに脂肪燃焼の促進効果があるためです。

ワイン1杯と同量のポリフェノール

生豆には、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれています。生豆に含まれるポリフェノールは、コーヒーの味(苦味)・香り、褐色の元となります。

また、ポリフェノールの作用は、抗酸化、抗菌性・抗ウイルス活性、抗ガン、抗肥満、脂肪代謝調節、口臭抑制、抗疲労と多岐に渡ります。それゆえ、コーヒー(ブラックコーヒー)の飲用により、癌、糖尿病、動脈硬化などの予防に効果的であるとの研究成果も報告されています。

ポリフェノールは抗酸化作用や抗疲労作用、抗肥満作用などと美容に嬉しい成分なので、コーヒーは女性に嬉しい効果のある飲み物ということなのですね。

コーヒーは適量でゆっくりと楽しむ

コーヒーは適量でゆっくりと楽しむ

抽出したコーヒーは、ほぼ水分であるゆえに生豆ほどの栄養価はありませんが、カフェイン、ポリフェノールは身体に良い影響をもたらします。

一方、カフェインには中毒性(習慣性)があります。それゆえ、しばしばコーヒーの飲み過ぎは危険であると言われます。

日本人は緑茶を沢山飲むことからも、カフェイン耐性を持つ人種と言われていますのでそこまで気にする必要はありませんが、コーヒーには利尿作用があるため、水分補給として沢山飲んでいると脱水症状を引き起こす可能性があります。

1日あたりコーヒーカップ3~4杯を目安に過度の摂取は控え、自分好みのコーヒー豆を自分に合ったタイミングで楽しみたいですね。

大人にありがたい成分の詰まったコーヒーを、香りと味を感じながら時間をかけてゆっくりと楽しむ。そんな大人の上質な時間を過ごしましょう。

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コーヒーステーション編集者
自分ではなかなか難しいコーヒー選びをサポートすること。コーヒー器具の開発、販売を手がける株式会社ハリオ商事自ら、コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の選び方などを発信しています。

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