みなさんは、朝コーヒーを飲みますか?
「コーヒーを飲まないと1日がはじまらない。」なんて思っている方は多いですよね。
では、朝コーヒーを飲むことでお腹の調子がよくなり、排便が良くなるということをご存知でしょうか。実は、化学的にもコーヒーはお通じに効くと証明されています。今回はコーヒーを飲むと便意をもよおす、その要因について詳しくご紹介します。便秘で困っている方はもちろん、朝からお腹の調子を整えて気持ちがいい1日を送りたい方、必見の内容になっているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
コーヒーが便秘薬と云われる理由
コーヒーが便秘薬になる理由は、コーヒーに含まれている「3つの成分」が大きく関係しています。その成分と具体的な効果について解説します。
1つ目は、カフェインです。カフェインを摂取すると、副交感神経の一種である「迷走神経」を興奮させる働きがあると云われています。この迷走神経には内臓の動きをコントロールする働きがあるので、腸のぜん動運動を促す効果が期待できるようです。加えて、カフェインには胃酸の分泌を促す作用もあるので、胃とつながった腸も刺激を受けることで動きやすくなると考えられています。
2つ目は、コーヒーオリゴ糖です。コーヒーオリゴ糖は、コーヒーの豆カスを抽出・精製した後の液から発見された成分で、オリゴ糖の一種になります。オリゴ糖は、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるため、便秘の解消に効果が期待できるのではないかと考えられます。
最後は、ビフィズス菌(コーヒーにミルクを入れた場合)です。コーヒーには独特の苦味があるので、ブラックコーヒーが苦手な方はカフェラテやカフェオレといったミルク入りのコーヒーを楽しむ方が多いですよね。牛乳にはビフィズス菌が含まれており、善玉菌のエサになることから腸内環境を改善することが期待されています。
以上、3つの成分の働きがあり、コーヒーは便秘薬としての側面があると云われています。
参考:コーヒーは便秘に効果的!? 飲み方のポイントを解説 | 知って得する!腸活コラム
しかし、根拠が定かではない!?
テクノロジー情報サイト「Gizmodo」によると、カフェイン入りとカフェイン抜きの両方のコーヒーを飲んだネズミの便は、いずれのコーヒーも飲まなかったネズミの便よりも細菌が少なかったという結果を導いています。これはコーヒーに含まれる何らかの成分が、排便に影響する腸内細菌を死滅させている可能性があることを示しています。
つまり、この研究結果から、コーヒーには腸の運動を促す効果があるが、カフェインとの関連性はないことが分かります。しかし、この研究はネズミに行ったものです。人間に対して行われたものではないので、人間にも結果同様の効用があるとは言い切れないでしょう。
「コーヒーを飲んだら便意をもよおし、トイレに行きたくなったことがある。」なんて経験をした方も多いはず。刺激物として知られるカフェインは、結腸の動きを活性化する一定の役割をはたしていますが、活性化する原因は「カフェインだけではない」ことが化学的に証明されているのです。
つまり、「便意をもよおす成分は、コーヒー自体に含まれている」可能性があると云えます。それが、コーヒーオリゴ糖、もしくはミルクを入れて飲む場合のビフィズス菌なのかもしれません。
中には、こんな説も…
ある専門家は、このような説を唱えています。「コーヒーを摂取すると、わずか数分後に胃に到達します。すると、コーヒーに含まれる数多くの成分の一部が、腸の収縮を促すモチリンや胃酸の分泌を促すガストリンといったホルモンの分泌を助け、その結果、便意をもよおすようになる」という理論になります。
一方で、ある科学者たちによると、午前中に行うあらゆる習慣的な活動が一体となって、便意を促している可能性もあると云います。そこに朝食やコーヒーが加わることによって、腸の収縮が活発化し、その結果として便意をもよおしているのではないかと云う説もあります。いずれも定かではないですが、この説を否定することもできません。むしろ一理あるとしか云えません。ですが、コーヒーを飲むことで便意の促進になるということは間違いなくいえるでしょう。
参考:コーヒーを飲むとトイレに行きたくなる?コーヒーが「便意」をもよおす理由 | Esquire(日本版)
コーヒーは計画的に飲もう
日中に予定がある方や仕事中にトイレにこもるのを避けたい方は、起床後2時間はコーヒーを飲むのを避けたほうが良いと云われています。また、コーヒーを飲む時は、できるだけ食事や運動するのを避けた方がいいでしょう。同時に行ってしまうと腸内への刺激が強すぎるあまりに、便意にさいなまれる可能性が高くなるので注意してくださいね。
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