「浸漬式ドリッパー スイッチ」は、HARIOが提案した新しいスタイルのコーヒードリッパーです。コーヒー粉とお湯を入れて数分待った後、スイッチを押すだけでドリップできるため、誰でも均一な抽出が可能です。
浸漬式ではありますが、ペーパーフィルターを用いるため同じ浸漬式のフレンチプレスのような微粉はあまり抽出されません。
今回はその『2wayの抽出方法』という特徴がある「浸漬式ドリッパー スイッチ」をご紹介します。
■浸漬式ドリッパー スイッチの特徴
●浸漬式、透過式両方できる
シリコン製のホルダーの中にステンレス球があり、スイッチを上げ下げすることで、透過式や浸漬式の抽出方法が選べます。
スイッチが上がった状態で浸漬式、下がった状態で透過式、スイッチをコントロールすることで、入れ方を切り替えられるのが浸漬式ドリッパースイッチの一番の特徴。
そのときの気分や使用する豆によって違う抽出方法にしたい場合、自宅やオフィスに1台あれば、透過式と浸漬式を使い分けができます。
●衛生的で、手入れが簡単
スイッチは使い捨てのペーパーフィルターを使用するため、ペーパードリップと同様、使用後のフィルターとコーヒーかすを一緒に捨てることができます。また、ドリッパーのパーツは全部分解できるため、丸ごと洗えて衛生的に使えます。
■浸漬式とは
「浸漬式とは何ですか」という質問をうけることがあります。
まず、コーヒー粉に含まれるコーヒー豆の成分をお湯で取り出すことを『抽出』といい、この『抽出』には大きく分けて『透過式』と『浸漬式』の2種類があります。
『透過式』は名前の通り、コーヒー粉にお湯を透過して成分を抽出させる方法。浸漬式と比べてクリアな味わいになりやすい入れ方です。湯量や注ぎスピード、抽出時間など、味わいに影響を与える要素が多くあります。多少技術が必要ですが、それが『透過式』の魅力と言われています。代表的な抽出方法は人気のあるハンドドリップです。
一方、『浸漬式』はコーヒー粉にお湯を浸して成分を取り出す方法。抽出時間と湯量を守れば、誰でも安定した味わいを再現でき、技術が不要な抽出方法と言われています。透過式と比べ甘味が出やすい入れ方です。代表的な抽出方法はサイフォンとフレンチプレス。
■入れるための準備
スイッチを使って透過式でコーヒーを抽出する場合、抽出プロセスはハンドドリップとほとんど同じであるため、ハンドドリップの記事をご参考ください。今回は主に浸漬式の入れ方をご紹介します。まずは必要な器具をチェックしていきましょう。
①器具を揃える
- HARIO浸漬式ドリッパー スイッチ
- サーバー
- ケトル
- スケール
- メジャースプーン
- カップ(&ソーサー)
- お好みのコーヒー(コーヒー豆の場合、コーヒーミルも必要)
②使うコーヒー粉とその使用量
コーヒー1杯分(約100cc)あたり、10gのコーヒーが適量。挽き目は中挽きから中細挽きがおすすめですが、お好みで調整してください。豆の種類と焙煎度合も自分の好みで選びましょう。なお、コーヒーミルを持っていない方は、豆を購入したお店で挽いて粉にしてもらいましょう。
■入れ方
お店やバリスタによって抽出比率がそれぞれ違いますが、今回はHARIOのスイッチを使用するため、HARIOのおすすめする入れ方をご紹介いたします。
1.フィルターをセットする
HARIOのV60と同じの円錐形のため、ペーパーフィルターを山折してスイッチにセットします。
2.お湯を沸かし、器具を温める
ケトルに必要な水量を入れ、沸かします(140cc×人数)。なお、湯通しをするため、少し多めの湯量を用意しましょう。
コーヒー成分の抽出にはお湯の温度が重要であるため、バランスの良いおいしく香ばしいコーヒーを楽しめるよう、湯音が下がらないようにコーヒー器具を温めることが大切です。
3.コーヒー粉を入れる
浸漬式で抽出するため、抽出時間を長くすればコーヒーが渋くなりやすいです。今回は中細挽きのコーヒー粉を20g使用します。お好みで抽出時間と挽き目の調整は可能です。
4.お湯を一気に注ぐ
お湯を約240cc注ぎ、約2分待ちます。スプーンで攪拌(かくはん、こうはん)するとよりコクのあるコーヒーができるため、お好みで撹拌してください。
5.スイッチを押してドリップし、温めたカップに注ぐ
2分が経過したらスイッチを押し、ドリップします。コーヒー液が落ちきったら(1分程度)、温めたカップにコーヒーを注いで出来上がりです。
■最後に
一つのドリッパーを持つだけで、二つの入れ方を楽しめるため、コーヒー初心者や経験者でも使いやすいドリッパーです。例えば忙しい朝に浸漬式、お疲れの午後に透過式、一日に異なる味わいのコーヒーを楽しむこともできます。
ぜひこの記事を参考にして、『2wayの抽出方法』が可能な「浸漬式ドリッパースイッチ」の魅力を体験してください。