コーヒー豆というと、みなさんどういったものをイメージするでしょうか?多くの人は、茶褐色や黒褐色を思い浮かべたのではないでしょうか。
しかし、よくイメージされる茶褐色や黒褐色のコーヒー豆は、焙煎された後のもの。焙煎する前のコーヒー豆はグリースピースのような淡い緑色をしているのです。
焙煎前で淡い緑色をした生の豆は、「生豆(きまめ/なままめ)」と呼ばれます。生豆を焙煎すると、炒られて茶褐色や黒褐色の豆へと変わり、私たちが普段よく目にするコーヒー豆となるのです。
コーヒー豆は木の種子
雑学ですが、コーヒー豆は豆といってもマメ科の植物ではなく、コーヒーノキ(コーヒーの木)の種子です。
コーヒーノキは、発芽から3年〜5年で白い小さな花が咲き、3日程度で花を散らせた後、小さな緑色の実をつけます。コーヒーノキの実は、トマトの実と同じく、小さな緑色の実が成長と共に黄色・オレンジ色の実へと変化し、完熟すると赤色の実になります。
完熟した赤い実はサクランボに似ているといわれ、それゆえ完熟したコーヒーノキの実を「コーヒーチェリー」と呼ぶのです。
完熟して収穫時期(10月頃)を迎えコーヒーチェリーは、手作業でコーヒーノキから採られ、外皮と果肉を除去されます。外皮・果肉を取り除き、残った淡い緑色の種子こそがコーヒーの生豆です。
コーヒーチェリーは甘酸っぱい味といわれますが、食用としてはあまり活用されず、肥料などに活用されます。
こうして収穫されたコーヒーの生豆は、水分量が12%以上と多く、カビが発生しやすいため、天日や機械による乾燥処理を行います。
私たちが普段飲んでいるコーヒーは前述の通り、コーヒーの木の実「コーヒーチェリー」から採れる種子「生豆」を焙煎し、焙煎した豆を挽いて粉末(粉状)にしたものなのです。
【豆知識!】
・ドリップコーヒー(レギュラーコーヒー):焙煎したコーヒー豆を挽いて粉末にしたもの
・インスタントコーヒー:焙煎したコーヒー豆から一度抽出したコーヒーを乾燥させて粉末状にしたもの
コーヒーノキ1本あたりの年間収穫量は生豆約450g!?
品種・栽培地による個体差はあるものの、コーヒーノキ1本あたりの年間収穫量はコーヒーチェリー約3キロとなり、そこから取り出される生豆は約450gといわれています。ということは、コーヒーノキ1本から採れる生豆は、コーヒー30杯〜40杯程度なんです!
毎日1杯、2杯のコーヒーを飲む人は毎回10グラムずつコーヒー豆を使用したとして、1か月でコーヒーノキ1本分を消費する計算になります。
そう考えると、いつもの1杯が非常に貴重な1杯のような気がしませんか?
コーヒーの生豆は温度・湿度が低い場所なら長期保存が可能!
生豆の保存には、直射日光が当たらない場所、温度・湿度が低い場所が適していますが、そこまで厳密な保存条件はありません。
基本的には麻袋に入れられて販売されているので、麻袋あるいは通気性の良い袋(布製など)に生豆を入れ、風通しが良く、温度・湿度が低い場所で保存します。水分を含み過ぎるとカビが発生するため、冷蔵庫・冷凍庫での保存が最適でしょう。
また、温度・湿度が低い環境下では、生豆は長期保存が可能です。精製処理工程において乾燥工程を経ているため、通気性、温度・湿度に気を付けて管理した場合、品質を保ったまま、数年間(3年間とも)は保存できるといわれます。
ただ、コーヒーを生豆で購入する人は少ないですよね。大半の人が焙煎後のコーヒー豆や豆を碾いた状態で購入するのではないでしょうか?
焙煎後のコーヒー豆は、湿度・気温・射日光などに注意し、2週間程度で飲みきるのが理想とされています。そして、碾いた状態のコーヒー豆の保存期間はもう少し短くなり2日程度と言われています。
意外と焙煎後のコーヒー豆の保存期間は短いのです。コーヒー豆は生豆の状態が一番長持ちさせられ、手を加えれば加えるほど保存期間が短くなっていきます。
そのため、焙煎後のコーヒー豆は2週間程度で飲みきれる程度の量を購入し、飲む前に豆を碾くのが良いでしょう。
コーヒーの新たな魅力を
今回は、コーヒー豆に関する雑学・豆知識をまとめてみました。
いかがでしたか?毎日、何気なく飲んでいたコーヒーに対する見方も少し変わりますよね。
特に、普段見かける機会の少ないコーヒーの生豆についてはどういう実でどう収穫されるかなどあまりメディアで紹介されないので、コーヒータイムの話のネタにぴったりですね!
この記事では、まだあまり商業化されていないコーヒーチェリーについても少し紹介しました。コーヒーチェリーの味はコーヒー豆の種類によっては甘酸っぱかったり、酸味が強かったりと諸説あるようです。
多くの人から愛されていても、まだまだ知られていない情報も多いコーヒー。
今は資源を無駄にしない風潮があるため、今後はコーヒーチェリーの活用方法にも注目して、コーヒー業界の動向にも思いを巡らせるなんて知的なカフェタイムを過ごすのも良いのではないでしょうか。