美味しいコーヒーを探す時の参考にできる『コーヒーベルト』って知ってる?

美味しいコーヒーを探す時の参考にできる『コーヒーベルト』って知ってる?

「コーヒーベルト」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。コーヒーベルトとは、コーヒーができる地域のことを指しますが、具体的にはどのようなエリアをいうのかご存じですか?

今回のコラムではちょっとした豆知識として、コーヒーベルトについて解説します。

コーヒーベルトって?

コーヒーゾーンとも呼ばれているコーヒーベルトは、コーヒーを栽培する時に適したエリアのことで、赤道を挟んで北緯25度、南緯25度までの一帯を指しますが、厳密に言うと北回帰線と南回帰線の間にある地域のことです。

しかし、南北の回帰線は地球の自転軸が動いているなどの理由から毎年少しずつ変わるため、簡単な緯度として北緯25度、南緯25度の間と説明されます。

このコーヒーベルトは、地球温暖化の影響で範囲が広まっているとも言われていますが、このエリアにあるコーヒーの産地はどこがあるのでしょうか。

中南米
コーヒーの産地としては、ブラジルやコスタリカ、エルサルバドル、ジャマイカなどが有名です。高級なコーヒーとして知られている「ブルーマウンテン」は、ジャマイカが生産しています。

アフリカ
アフリカエリアでは、コーヒー発祥の地として知られているエチオピアと強い酸味や濃厚なコクでコーヒー好きを唸らせる「キリマンジャロ」を栽培しているタンザニアもあります。

アメリカ
「ハワイコナ」としてお土産にも人気のコーヒーですが、アメリカ国内では、ハワイだけがコーヒーを栽培しています。

アジア
甘い練乳を入れて飲むコーヒーで知られているベトナムは、ブラジルに次ぐコーヒー生産量を誇っています。また、「ジャワコーヒー」や「マンデリン」で知られているインドネシアもコーヒー大国です。

これらの国は、すべてコーヒーベルトのエリア内にある国です。

コーヒーを栽培する時に必要な条件5つ

コーヒーを栽培する時に必要な条件5つ

コーヒーの産地として有名な国は、コーヒーベルト内にありますが、このエリアにあるからと言って美味しいコーヒーを作れるとは限りません。コーヒーを栽培する時に必要な条件が5つあります。

美味しいコーヒーを栽培する条件1.降水量
美味しいコーヒーを栽培するために必要な条件の一つは、降水量です。コーヒーを栽培するためには、種類にもよりますが年間1,400㎜~2,500㎜程度の雨量が必要となります。

そのため、コーヒーベルト内の地域であっても降水量が少ない場合はコーヒーの栽培に向いていないと言えます。逆に、雨量が多いと日照時間が少なくなり、多湿になりすぎます。

美味しいコーヒーを栽培する条件2.日照時間
コーヒーの木(コーヒーノキ)は、太陽の光を好みますが、常に日が当たりすぎるとダメージになり生産量が減ります。そのため、コーヒーの木のそばには、日照時間や温度差の調整、防風などの役割を担うシェイドツリーが植えられます。

また、コーヒーは、成長期に雨が降り、収穫期は天気が良く乾燥している気候が理想なので、日本のように四季があるエリアではなく、乾季と雨季のみが存在するエリアが選ばれます。

美味しいコーヒーを栽培する条件3. 気温
熱帯で育つイメージのあるコーヒーですが、栽培するために最適な温度は、平均18度~28度となっています。最適な温度はコーヒーの種類によって若干の違いはありますが、あまり高温や低温でもコーヒーの木は育ちません。

また、昼夜の温度差があることもコーヒー栽培における必要な条件になります。

美味しいコーヒーを栽培する条件4.土壌
コーヒーに適している土壌は、肥沃で水はけが良く、少し酸性が向いています。また、有名なコーヒー産地のほとんどは火山がそばにあり、コーヒーが必要とする窒素やリン、カリウムなどの栄養を多く含んだ火山性の土壌となっています。

美味しいコーヒーを栽培する条件5.害虫や病気の予防
コーヒーは、さび病や害虫に侵されると生産量の減少だけでなくコーヒーの木を壊滅させてしまうことがあります。そのため、コーヒーの栽培を基幹産業にしている国は、国を挙げて害虫や病気に強い土壌や肥料の改良に力を入れています。

以上のことから、コーヒーベルト内のエリアであっても、自然環境の条件とそれを維持するための努力、害虫や病気の予防がコーヒーを栽培し生産量を高める大切な要素となります。

日本でもコーヒー栽培はできるの?

日本でもコーヒー栽培はできるの?

コーヒーを栽培し豆を収穫するためには、熱帯地域で標高が高い地方が最適ですが、日本でも栽培できるのでしょうか。実は、沖縄地方の緯度はハワイと同じなので、コーヒーベルトの北限に位置しています。

そのため、小笠原諸島や徳之島、沖縄などでコーヒーを栽培しているところもありますが、日本の季節や台風の通り道になることなどがネックとなり大規模に栽培しているところはありません。

しかし、温室などで気温や日照時間に注意すれば、日本での栽培も可能です。実際に北海道でも栽培、収穫を行っているところもあります。

コーヒーブレイクに豆知識を披露してみよう

コーヒーブレイクに豆知識を披露してみよう

何気なく飲んでいるコーヒーは、遠い異国の地からやってきています。雑学的ではありますが、コーヒーを収穫できるコーヒーベルトや栽培の条件などを知っておけば、美味しいコーヒーを探す時の参考にもなるでしょう。また、最近は観葉植物としてコーヒーの木が人気です。コーヒーの木を育てて自家栽培のコーヒーを楽しんでみるのも夢がありますね。

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コーヒーステーション編集者
自分ではなかなか難しいコーヒー選びをサポートすること。コーヒー器具の開発、販売を手がける株式会社ハリオ商事自ら、コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の選び方などを発信しています。

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