コーヒーの香りには2種類の効果が!目的別に飲むコーヒーを変えてみよう

コーヒーの香りには2種類の効果が!目的別に飲むコーヒーを変えてみよう

「コーヒーを飲むと健康に良い効果が期待できる」とは聞いたことがあるかもしれません。しかし、コーヒーの香りにも人間に作用する効果があると、科学的に実証されているとはあまり知られていません。

あの独特で芳醇な香りにも良い効果が期待できるとなると、コーヒーがより魅力的な飲み物になるのではないでしょうか。

コーヒーの香りには、「集中力を高める効果」と「リラックス効果」の全く異なる2種類の効果が期待できます。

そこで今回は、コーヒーの香りが人間の脳に与える作用について紹介します。目的によって使い分けることも可能なので、ぜひ参考にしてくださいね。

コーヒーの匂いがもたらす効果には2種類ある

杏林大学医学部の古賀良彦教授が行った、コーヒーの匂いに関する実験結果がとても興味深いです。コーヒーの香りによって人の脳がどのように感じるのかを、様々な実験から観察しました。

使用したコーヒーの種類は、ブラジルサントス、グァテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリ、マンデリン、ハワイ・コナの6種類。全て中挽きの豆を90度のお湯で煮出したものを使っています。

結果、コーヒーの香りには「集中力を高める効果」と「リラックス効果」があることがわかりました。

集中力を高める効果
被験者がヘッドホンを装着し、「低い音に混じって高い音が聞こえたら、なるべく早くボタンを押す」という実験を行い、集中力に変化があるかを観察しました。

高い音が聞こえてからボタンを押すまでの時間が短ければ短いほど、集中力が高いと判断できるという訳です。比較対象として、無臭の蒸留水を嗅いだ結果も観察しています。

この結果、ブラジルサントスやマンデリン、ハワイ・コナにおいて、無臭の蒸留水よりもボタンを押すまでの時間が短かったのです。

つまり、コーヒーの香りには集中力を高める効果があると言えます。

しかし、グァテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリの3種類においては、無臭の蒸留水と比較してボタンを押すまでの時間が同等か長いという結果になっています。

実は、この3種類のうちグァテマラとブルーマウンテンには、別の実験でリラックス効果が高いという結果が出ているのです。

リラックス効果
リラックスしているかどうかは、脳波を計測する機器を取り付けて観察しました。α波が出現している量が多いほど、リラックスしている状態と言えます。

α波を計測した結果、ブルーマウンテンとグァテマラでは、蒸留水よりも明確に多くのα波が計測されました。

このため、ブルーマウンテンとグァテマラにはリラックス効果があると判断できるでしょう。

しかし、集中力の実験で良い結果になったブラジルサントスやマンデリン、ハワイ・コナには蒸留水と比較しても、リラックス効果があるとは言えない結果になりました。

コーヒーの匂いがもたらす効果には2種類ある

コーヒー豆の産地によって匂いの効果は変わる

実験の結果、同じコーヒーでも産地によって匂いの効果が変わることがわかりました。実はコーヒーの香りの成分は800種類もあり、それらが複雑に混ざり合ってコーヒーの香りになっています。

確かに、コーヒーの香りには微妙な違いがあります。

リラックス効果の最も高かったブルーマウンテンは最高級のコーヒーなだけあり、しっかりとして上品なナッツのような香ばしさがあります。一方、集中力を高める効果が高かったブラジルサントスにはコーヒーの香りがマイルドです。

匂いは、鼻から入って快・不快を感じる脳の大脳辺縁系に直接届きます。つまり、匂いは人間の感情との関係が深いとも言えます。

コーヒー豆の産地による微妙な香り成分の違いは、脳にとっては大きな違いなのです。

飲み方や焙煎具合によっても効果の高さが違う
集中力アップ効果を引き出したいなら、コーヒーに含まれるカフェインの効果を合わせると良いでしょう。砂糖やミルクを入れずにブラックで飲めば、脳が活性化し、香りとの相乗効果で作業効率アップが期待できるでしょう。

なお、カフェインの効果は飲んでから30分後から現れると言われているので、テストやプレゼンなど、集中したい時間に合わせて飲むと効果を実感しやすいです。

また、よりリラックス効果を引き出したいなら、香りの強い深煎りがおすすめです。気分転換にハンドドリップで入れれば、コーヒーを入れるゆったりとした作業に心が落ち着くだけでなく、豊かな香りに包まれて、よりリラックスできるでしょう。

コーヒー豆の産地によって匂いの効果は変わる

目的に合わせて飲むコーヒーの産地を変えるこだわりを

今回は、コーヒーの香りが人間の脳に与える影響について紹介しました。

コーヒーの香りには、「集中力を高める効果」と「リラックス効果」があります。ですが、この2つの効果は両立せず、コーヒー豆の産地によって期待できる効果が違います。

そのため、目的によって飲むコーヒーを変えると良いでしょう。

例えば、これから仕事や勉強をするという場合には、集中力を高める効果の高いブラジルサントスやマンデリン、ハワイ・コナがおすすめです。

一方、ストレスを感じるなどして気分を落ち着けたい場合には、リラックス効果の高いブルーマウンテンとグァテマラのコーヒー豆を選ぶと効果的です。

自分の気分や状態に合わせてコーヒー豆を選んで、より豊かな日常を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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コーヒーステーション編集者
自分ではなかなか難しいコーヒー選びをサポートすること。コーヒー器具の開発、販売を手がける株式会社ハリオ商事自ら、コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の選び方などを発信しています。

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