他のコーヒー豆の精製方法とはどう違う?スマトラ島で生まれた「スマトラ式」とは

他のコーヒー豆の精製方法とはどう違う?スマトラ島で生まれた「スマトラ式」とは

お米が稲から精製されるように、コーヒーにも「コーヒーチェリー」から種子を取り出して生豆にする精製方法がいくつかあります。国や栽培環境によって違いますが、精製方法によって、味の変化も楽しむことができるのです。

ちなみに、コーヒー豆の精製方法には主に4つの種類があり、そのうちのひとつである「スマトラ式」をご存知ですか?このスマトラ式はインドネシアのスマトラ島で行われていて、ちょっと変わった生産処理法なのだとか。

それには、スマトラ島ならではの気候や環境が深く関係しています。では、他のコーヒー豆の精製方法と比べて一体どんな違いがあるのでしょうか?

今回はそんな「スマトラ式」の精製方法や特徴についてご紹介します!

「スマトラ式」の精製方法や特徴

スマトラ式の生産処理方法とは?

では、スマトラ式のおおまかな作業の流れを見ていきましょう。

◆作業の流れ
収穫→果肉除去→発酵→粘着物(ミューシレージ)の除去→予備乾燥→脱穀→本乾燥

コーヒーチェリーを収穫した後、ウォッシュド加工(水洗式)のように機械で果肉を除去し、その後発酵層にて約24時間発酵させます。ここでのコーヒー豆は「パーチメント」と呼ばれる、薄茶色した殻のついた状態です。

発酵後、ぬるぬるとした粘着物(ミューシレージ)を機械できれいに洗い流し、予備乾燥に入ります。天気が良好であれば、予備乾燥は2~3日で完了。その後、パーチメント(殻)をむくため脱穀機に。脱穀された豆は最終工程の本乾燥に入る、という流れです。

スマトラ式の生産処理方法

他のコーヒー豆の精製方法との違いとスマトラ式の特徴

他の精製方法と違う点は?

他のコーヒー豆の精製方法には「ウォッシュド(水洗式)加工、ナチュラル(乾燥式)加工、パルプドナチュラル(半水洗式)加工」がありますが、これらと「スマトラ式」との精製方法の違いは何なのでしょうか?ここでは3つのポイントを見ていきましょう。

◆完全に乾燥させる前(生豆の状態)で脱穀すること。
他の精製方法はいずれも完全に乾燥させてから脱穀しているのに対して、スマトラ式は水分が50%ほど残った生豆の状態で脱穀していることが、最大の違いです。

◆乾燥工程が二度に分かれていること。
生豆の状態で脱穀するため、再度本乾燥が必要になります。他の精製方法は完全に乾燥させてから脱穀するという一度の乾燥に対して、スマトラ式は乾燥工程を二度行っています。

◆各農園が自分たちで予備乾燥まで行う
多くの産地では、通常果実の状態でコーヒーチェリーが業者へ集荷され、精製場で処理されます。しかし、スマトラ島では各生産農家が予備乾燥までの工程を行っているのです。そのため、脱穀と本乾燥のみ、業者が行っているというのが、他の精製方法と異なる点です。

スマトラ式の特徴とは?

◆乾燥工程が短い
先ほどお伝えした通り、乾燥工程を二度に分けて短時間で行うのにも理由があります。それは、インドネシアは熱帯気候で非常に雨(スコール)が多く、長期の乾燥には不向きだからです。

乾燥しきってないのに雨が降り出してしまってはなかなか次の工程に進めないですよね。しかし、ウォッシュド精製(水洗式)では1~2週間かかる乾燥期間も、スマトラ式ならわずか3日程度で済みます。雨の多いスマトラ島だからこそ生まれた、特殊な精製方法と言えるでしょう。

◆生豆に傷が付きやすい
完全に乾燥させる前に脱穀に入るため、生豆に傷が付きやすいという欠点も。水分が残った半乾きのやわらかい状態なので、形がいびつだったり、生豆の端が裂けてしまったり、傷口から菌が侵入して色が変化してしまったりすることがあります。

また、精製途中で欠点豆の選別ができないというのも特徴。そのため、仕上げ後の選別作業が重要となってきます。

◆独特な色合い
スマトラ式で精製された豆の特徴と言えば、独特な深緑色をしていること。ウォッシュド精製やナチュラル精製で加工された豆はベージュやライトグレーのような色合いですが、スマトラ式の豆と比較してみると、その色の違いは一目瞭然でしょう。

「深緑色のコーヒー豆=スマトラ式」を覚えておけば、コーヒー豆を選ぶ際にも役立ちますよ。

他のコーヒー豆の精製方法との違い

スマトラ式コーヒー豆の味について

これだけ独特な精製方法で作られたコーヒー豆ですから、どんな味がするのか気になりますよね。

スマトラ式のコーヒー豆には、さまざまなフレーバーがありますが、スパイシーでハーブのような特徴的な香味が魅力です。その独特な香味に日本でもファンが多いのだとか。

また、他のコーヒーに比べて酸味が弱く、コクが強いのが特徴。どっしりとした味の深みやコクの強さから「大地を想わせるようなフレーバー」と表現されることもあります。

ちなみに、スマトラ産コーヒー豆で代表的なのが「マンデリン」ですが、聞いたことある方もいるのではないでしょうか?「マンデリン」は浅煎りだとシトラス系のフルーティーな香りを感じることもできますが、一般的には深煎りで提供されることが多いようです。

しっかりとした苦味とコクがあり、スイーツとの相性も抜群!おやつのお供にも最適ですよ。

スマトラ式コーヒーならではの独特な味わいを楽しもう

今回はコーヒーの精製方法である、「スマトラ式」について、他の精製方法との違いや特徴などをお伝えしてきました。

スマトラ島は小規模農園がほとんどで、完全に熟したコーヒーチェリーのみを収穫しているため、一度に採れる量も多くありません。また、雨の多い地域だからこそ、知恵と工夫を凝らし、大切に育てられた豆はとても希少価値が高いですよね。

スマトラ産のコーヒーを見かけた時はお試しできる貴重なチャンスかもしれません。ぜひ、唯一無二のオリジナルな味わいを楽しんでみてくださいね。

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コーヒーステーション編集者
自分ではなかなか難しいコーヒー選びをサポートすること。コーヒー器具の開発、販売を手がける株式会社ハリオ商事自ら、コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の選び方などを発信しています。

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