読者のみなさま、はじめまして。
お菓子缶研究家でフードジャーナリストの中田ぷうと申します。会社員編集者として働いていたこともありましたが、もう20年以上フリーランス。ずっと家で仕事をしています。だからこそ、“小休憩”になるお茶の時間はとても大切。そしてお茶を飲む際に欠かせないマグカップ。実はお菓子缶だけじゃなく、マグカップのコレクターでもある私。マグって、いちばん身近でいちばん出番の多い食器だと思っていて、気分によって季節によって変えるだけで、お茶の時間が満足度の高いものになる気がするのです。
私がマグを集めるきっかけは24年前。結婚したばかりの時に毎年1か2つずつ、“アラビアのムーミンマグ”を買い集めようと夫と約束したことがきっかけでした。
左上:なかなか見つからない、「フェデラルグラスカンパニー」の花柄マグ。アメリカのサイトなどで見つけています。右上:デンマークの雑貨ブランド「ソストレーネグレーネ」(2020年に日本撤退)のマグ。確か1つ300円くらいだった記憶。今でもお気に入り。右下:大好きな陶芸家・遠藤太郎氏のマグ。左下:ニューヨークの食器ブランド「フィッシュエディ」のドッグ&キャットマグ。原宿の「nico and…」で買えます。
しかしマグそのものの魅力にハマってしまった私。“ビビッ!”と来るやマグを買うようになってしまいました(笑)。デッドストックのものからアンティークのもの、作家ものからどこのブランドかもわからないもの、とにかく“好き”と思ったものをかたっぱしから買うように。今もこの癖は治らず、気に入ると買っているのでものすごい量のマグが食器倉庫に眠っています。でもただ眠らせておくのはもったいないので、春夏・秋冬で食器棚のマグも“衣替え”。その季節に合ったマグでお茶を楽しんでいます。
棺桶に入れてほしい(笑)。思いが詰まったマグたち
近い将来、私も終活に着手するときが出てくるでしょう。そのときにはマグも相当数、手放すことになると思います。でもその際、この3つだけは最期まで手元に残しおくと決めています。
「リチャード・ジノリ」のマグは自著「素晴らしきお菓子缶の世界」と「もっと素晴らしきお菓子缶の世界」が2冊同時に重版した記念に購入したもの。そして衛兵柄のマグは30年近く前の母のイギリス土産。エンブレム柄のマグは娘のイギリス土産。思いの詰まった大切なマグたちです。
私たちの暮らしにいちばん身近な食器の1つであるマグカップ。さまざまなマグでお茶の時間を楽しんでみませんか。
<執筆者>
中田ぷう
フードジャーナリスト・お菓子缶研究家。大学在学中にファッション誌にてライターデビュー。卒業度、大手出版社に勤務。その後フリーランスに。理論的ファッション本、キャンプグッズ本を手がけ、ブームの立役者となる。長年の趣味であったお菓子缶の専門書「素晴らしきお菓子缶の世界」、「もっと素晴らしきお菓子缶の世界」(ともに光文社)を刊行。来年春に新刊刊行予定。