日本人のおよそ20%が患っているとされる花粉症、その代表的なものが春のスギ花粉です。今後、地球温暖化によって花粉の飛散数が増加すると予想されています。
くしゃみや鼻水、鼻詰まりなど日常生活にも影響を与える花粉症ですが、嗜好品として日々愛飲されているコーヒーとどのような関係があるのかご存じですか?
本記事では、厚労省のデータとともに花粉症とコーヒーの関係、花粉症を意識したコーヒーの楽しみ方をご紹介します。
コーヒーと花粉症の関係性
花粉症の症状を緩和するとされる食べ物がある一方、花粉症の悪化につながる可能性があるといわれる食べ物も存在します。それでは、「コーヒーは花粉症の症状を悪化させるのでは?」と不安に思った方もいるのではないでしょうか。結論からいうと、コーヒーが花粉症を悪化させるという科学的な根拠はありません。安心してコーヒーブレイクをお楽しみください。
厚労省が花粉症の民間医療について調査した資料があります。この資料によると、薬草関連やカフェイン関連、マッサージやアロマ療法など、多くの民間医療が存在するものの、民間医療の科学的評価についてはほとんど行われていないとのことです。
この資料には、民間医療を受けている患者に効果のほどをアンケートした結果も掲載されております。医療内容によってばらつきはあるものの、「効果が実感できた」と答えた人の割合は、20~30 %以下にとどまっているようです。悪化したという記述はないものの、効果を過度に期待するものではない、花粉症を改善させるとは公言できないという結果に落ちついています。
コーヒーに限って言うならば、コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が花粉症の症状を緩和する可能性について指摘している資料も存在します。とはいえ、厚労省の調査結果の通り、あまり効果を期待して飲むものではないと感じます。
以上のことから、花粉症の症状の緩和を目的としてコーヒーを飲むのはオススメしませんが、花粉症を悪化させるという根拠はありませんので、これまで通りコーヒーを愛飲していただければと思います。
症状を悪化させないよう意識しながらコーヒーを楽しもう!
コーヒーそのものが花粉症を悪化させる事実はないものの、飲み方を誤ると花粉症の症状を悪化させる可能性があります。 何の憂いもなくコーヒーを楽しむために、抑えておくポイントをご紹介します。
砂糖・コーヒーフレッシュの摂りすぎに注意する
砂糖を控える理由は、コルチゾールというホルモンの分泌が減少するためです。コルチゾールとは、抗炎症作用を持つホルモンであり、このホルモンの分泌が減少すると、花粉症などのアレルギー症状の悪化につながる恐れがあります。糖質を多くとると、血糖値が急上昇し、インスリンというホルモンが分泌されるのですが、この際、コルチゾールの分泌量が減少してしまいます。ですので、できる限り砂糖は控えることをオススメします。
また、コーヒーフレッシュに含まれるトランス脂肪酸も砂糖同様に花粉症を悪化させる可能性があるという記事が散見されます。しかし、農林水産省の情報によると、トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、脂肪を摂取する量が多い欧米人を対象にしたものであり、日本人の場合にも同じ影響があるかは明らかではないようです。
とはいえ、摂りすぎはよくないとのことなので、気を付けましょう。普段から苦みが苦手で砂糖やコーヒーフレッシュを入れている方もいると思います。そんな方には浅煎り豆をぜひ試してみてほしいです。現在はサードウェーブコーヒーのムーブメントにより、高品質な浅煎りコーヒー豆が手に入れやすい環境です。ぜひフルーティで酸味豊かな浅煎りコーヒーを試してみてほしいです。
花粉症対策の基本を抑えてコーヒーを楽しむ
花粉症対策の基本である、「花粉との接触をできるだけ避ける」、「花粉を体内に取り込まない」ことを意識してコーヒーを楽しみましょう。帰宅後に衣服をはらうことやうがい手洗い、洗顔はもちろんのこと、外での飲み歩きも控えることをオススメします。
普段、喫茶店やカフェでコーヒーを楽しんでいる人も、この機会に自宅でコーヒーを淹れてみてはいかがでしょうか。 主流のハンドドリップだけでなく、フレンチプレスやコーヒーサイフォン、エアロプレスなど、今やコーヒー器具はたくさんの種類があり、淹れる器具によってコーヒーは様々な顔を見せてくれます。また一つ、コーヒーの魅力を感じるいい機会になると思いますので、ぜひ自宅でコーヒーを入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はコーヒーと花粉症の関係性についてご紹介しました。コーヒーが花粉症を悪化させるという科学的な根拠はありませんので、今まで通りコーヒーを愛飲していただければと思います。とはいえ、花粉症は難治性であり、身体の不調やストレスを招く病気であることは事実です。
コーヒーを楽しむ際も、花粉症対策の基本を意識して、花粉と上手く付き合いながら、コーヒーのある生活をお楽しみください。