ベトナムコーヒーとは?ロブスタ種の特徴
ベトナムのコーヒー、皆さんはどんなイメージをお持ちですか?
2020年の新型コロナウイルスのパンデミック以降、日々コーヒーを自宅で楽しむ人が急激に増えて、コーヒーを淹れることがより身近になりましたが、ベトナムのコーヒーが身近かどうかと言えば、そうとは言い難いのではないでしょうか?クセが強いイメージが先行して少し踏みこみづらい印象を持たれている人も多いのではないかと思います。
実はコーヒー豆の世界生産量はブラジルに次ぐ第2位のベトナム。
コーヒー豆は大きく、アラビカ種とロブスタ種の品種に分けられますが、一般的に出回っている多くのベトナムコーヒーはロブスタ種(カネフォラ種)に分類されます。ロブスタ種は病害虫の被害が少なく育てやすく、標高が低い産地でも育つので安い価格帯となっています。そのため、缶コーヒーやインスタントコーヒーの原材料に使われることが多いので、世の中に多く出回っています。
ロブスタ種は麦茶のような独特な風味と苦味が特徴で、アラビカ種の香味高い雰囲気とは全く異なるイメージです。正直ブラックの状態では苦味やえぐみを感じやすいため、ベトナムコーヒーはコンデンスミルク(練乳)を入れて飲むことが主流です。使用するドリップ器具としては、ベトナムコーヒー専用のカフェ・フィンという金属フィルターでゆっくり濃厚なコーヒーを抽出していきます。
一方で、一般的に馴染みのあるペーパードリップでベトナムのロブスタ種のコーヒーを淹れることにも興味が湧いてきます。味にどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、カフェ・フィンを使ったドリップ方法と、HARIO V60のドリッパーを使ったペーパードリップの方法をご紹介します。
ベトナムコーヒーの一般的な作り方(カフェ・フィンを使用した作り方)
独特な苦味のあるベトナムロブスタ種の豆を使って、甘くて美味しいベトナムコーヒーを作っていきます。
まず、コップに加糖練乳を20g入れておきます。練乳の量はお好みで、コーヒーの濃度によって調整してみてください。
カフェ・フィンをコップに乗せます。外蓋と中蓋を外した状態で、コーヒー豆の粉を20g入れます。
焙煎度合いは深煎り、豆の挽き具合は中細挽きがおすすめです。
中蓋を閉めて、少し押さえて粉を平らにします。
中蓋がねじ式のカフェ・フィンの場合は、抑えすぎない程度にねじを閉めてあげましょう。
沸騰させた熱湯が90度くらいまで温度が下がるのを待ち、熱湯を注ぎ始めます。
1投目、表面全体が浸るくらいの少量を注ぎ、30秒ほど蒸らします。
2投目以降、ゆっくり円を描くように注いでいきます。
120ccのお湯を注ぎ終えたら、外蓋を被せて最後の一滴まで落ち切るのを待ちます。
(画像のように中蓋がねじ式ではない場合、鮮度の良い豆を使用すると注いだ時に豆が膨らむことがあり蓋が浮くので、膨らみが落ち着いてから蓋を閉めると良いです。)
落ち終わったら、外蓋を外して裏返して置き、その上にフィンのフィルター部分を置きます。出来上がったコーヒーはとても濃厚。そのままブラックでも飲めないこともないですが、やはりロブスタ種独特の香りや苦味が強く、ベトナム人が練乳を入れて楽しまれるのも納得です。
実際に下の練乳をかき混ぜて飲むと、甘くて濃厚な、一種のコーヒースイーツのような美味しいベトナムコーヒーが完成です。ベトナムでは一年を通して暑い気候ということもあり、ホットよりもアイスで飲まれることが多く、そういった点でも濃い目のコーヒーを抽出して、たっぷりの練乳と合わせる習慣があるというわけですね。ちなみに、甘いまたは甘すぎるのは苦手で濃度を調整したい場合は牛乳で割ることで甘さを控えることもできます。
ペーパードリップで淹れるベトナムコーヒー(HARIO V60を使用した淹れ方)
さて、ここからは一般的に馴染みのある通常のペーパードリップ式でベトナムのロブスタ種のコーヒーを淹れると、味わいはどう変化するのか?カフェで普段使っている「HARIO V60」のドリップ器具を使ってハンドドリップしてみました。
まず、先ほどと同じベトナムロブスタ種のコーヒー豆15gを中挽きにします。
沸騰させた熱湯を90度くらいに温度を下げたら、1投目。
蒸らしをはじめます。
豆全体にゆっくり少量注いで、20〜30秒待ちます。
2投目以降、ゆっくりと中心に小さい円を描くように、数回に分けて注いでいきます。
蒸らしから2分30秒〜3分くらいを目安に注ぎ終わり、完成です。
練乳は入れずに試しに飲んでみましたが、ロブスタ種の特徴も残しつつ、非常に飲みやすい美味しい珈琲を淹れることができました。お好みで練乳入れるのもの良いですが、苦味も程よくすっきりしているので入れなくても十分楽しめるように感じました。
最近では、ロブスタ種のスペシャルティコーヒー「ファインロブスタ」や、ベトナム産アラビカ種のスペシャルティコーヒーなど、高品質のベトナムコーヒーも増えてきていますので、農園や精製方法による違いを味わってみるのも面白いですね。
カフェ・フィンの代わりとしてのペーパードリップも可能
実は、先に紹介したカフェ・フィンを使う時の分量・レシピをペーパードリップで応用することも可能です。もし、カフェ・フィンが手元になく、甘いベトナムコーヒーが飲みたくなったら試してみてください。その日の気分によって飲み分けができるのも、よりベトナムコーヒーが身近に感じられて良いですよね。
まとめ
ベトナムコーヒーの作り方を一般的な淹れ方から、ペーパードリップでの応用までご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ロブスタ種はクセが強く、苦味を感じやすいのは周知の事実で、好き嫌いが分かれる部分ですが、コンデンスミルクや牛乳を利用して自分好みの味を作ってみてください。
また、ファインロブスタやアラビカ種の高品質のベトナムコーヒーを日々の珈琲時間に取り入れてみることで、新たな世界が拓けてくるかもしれません。
ぜひ、いつもと違ったコーヒーとして楽しんでみてくださいね。