エスプレッソは、1901年にイタリアで、コーヒーをより速く抽出したいと考えたルイジ・ベゼラがエスプレッソ・マシンを開発したのが始まりです。
その後、エスプレッソ・マシンはルイジ・ベゼラの特許を買い取ったデジデリオ・パボーニによって、1906年にミラノ万国博覧会で紹介され、世界中に広がりました。
現在では、家庭でもエスプレッソ・マシンを購入してエスプレッソを飲むことができるようになりました。
エスプレッソ・マシンを使えば誰でもエスプレッソを作ることはできますが、おいしいエスプレッソを入れるには、コツがあります。
この記事では、おいしいエスプレッソを入れるための見極め方を紹介します。
おいしいエスプレッソの見極め方・成功例
おいしいエスプレッソは、次の3つの点がクリアできています。
タイガースキンが形成されている
成功したおいしいエスプレッソには、表面に「タイガースキン」と呼ばれるトラの体表の模様に似たクレマが形成されています。
クレマとは、エスプレッソの表面にできる茶色で細かい泡の層のこと。
エスプレッソのおいしさの決め手と言っても良いもので、コーヒー豆の中にあった二酸化炭素がコーヒーに溶け込んで、加圧がなくなったため、泡となったものです。
おいしいエスプレッソのクレマは、明るい茶色でキメが細かく、牛乳の表面に似たツヤがあります。
ボディに雑味がない
おいしいエスプレッソは、クレマの下にある中層のボディに雑味がなく、コクや深みがあります。
香ばしいアロマ
おいしいエスプレッソは、クレマを割った時にコーヒー豆の芳香が感じられます。
おいしいエスプレッソの見極め方・失敗例
失敗したエスプレッソは、次のような状態になっています。
クレマの層が薄い・まばら
おいしいエスプレッソはクレマの層が厚く、2~3㎜ほどあります。
失敗したエスプレッソは、クレマの層が薄かったりまばらだったりします。
バランスの悪い味わい
おいしいエスプレッソはボディのコクや深み、香ばしい芳香のバランスがよく一体感があります。
失敗したエスプレッソはバランス感が悪く感じられます。
失敗の原因
エスプレッソの入れ方を失敗した原因には、次の5つが挙げられます。
コーヒーの挽き度合い
エスプレッソは短時間で抽出を行うため、「極細挽き」が良いとされています。
挽き度合いが荒いと薄いエスプレッソになり、細かすぎると苦味や渋みが強すぎてしまいます。
粉の量が足りない
エスプレッソの粉の量は、微調整が必要です。粉の量が少ないとクレマの層が浅くなります。
粉の詰め具合
エスプレッソを入れる場合は、コーヒーの粉をフィルターにセットする際に、コーヒーの粉が水平になるよう上から圧力をかけます。
これを「タンピング」と言い、タンピングの圧力の加減でエスプレッソの味が変わる、と言われています。
タンピングにかける圧力は15~20kgの力が良い、とされており、タンピングが強すぎると、渋みや苦味が出てしまいます。
また、タンピングを行う際には、水平に圧力をかけることが大切です。ナナメにタンピングしてしまうと、低い方にお湯が多く流れてしまい、薄いエスプレッソになります。
豆が酸化している
コーヒー豆は酸化すると急激に味が低下します。
酸化とは、物質が酸素や熱、光などが原因で化学反応を起こし、風味や品質が低下する現象です。
とくに香りは酸化の影響を受けやすく、香りが抜けるだけでなく異臭がすることも多くあります。
コーヒー豆が酸化すると香りがなくなり、風味が悪くなったり酸化臭がしたりします。
抽出時間
抽出時間は、エスプレッソの濃さを左右します。
一般的にはエスプレッソの抽出時間は20~30秒が適切だとされており、抽出時間が長いと濃く、短いと薄くなります。
また、抽出時間は粉の量やフィルターのメッシュの荒さにも左右されます。
粉の量が少ないと抽出時間は速くなり、多いと遅くなります。メッシュが細かいと抽出時間は遅くなり、荒いと速くなります。
時間は合っているのにどうも思ったような濃度にならない、という時には、粉の量やメッシュの荒さなどもチェックする必要があります。
自宅でおいしいエスプレッソを飲もう!
近年では、家庭用のエスプレッソ・マシンが家電量販店やインターネット通販で購入できるようになり、誰でも手軽に自宅でエスプレッソを飲むことが可能になりました。
エスプレッソ・マシンは全自動・セミオート・カプセルなどのタイプがあり、値段も1万円台のものから10万円以上するものまでさまざまです。
全自動タイプは手軽に失敗が少なく作ることができますが、高額すぎる場合や自分好みにこだわって作りたい場合には、セミオートタイプやカプセルタイプがおすすめです。
自分に合ったタイプのエスプレッソ・マシンを選んで、自宅でエスプレッソを楽しんでみませんか?
この記事で挙げた見極めポイントをしっかりチェックすると、おいしいエスプレッソを入れることができますよ。
全自動タイプでも粉の量や詰め具合、濃度などは調整できるので、こだわってみることをおすすめします。
自宅でおいしいエスプレッソを入れて、爽やかな朝の目覚めや休日のリフレッシュタイムを過ごしましょう!