アイス・コーヒーが濁る原因を大解明。今年の夏はクリーンなアイス・コーヒーで乗り切ろう
茹だるような暑さが続くサマー・イン・ジャパン。少し家事をしたり、出歩くだけで「もう喉がカラカラだヨォ~」とひっそり呟くこともしばしば。そんな時はキンキンに冷えたアイス・コーヒーで喉を潤したいところだ。ただ、今日の気分はカフェに行くより、家でクーラーを効かせてのんびりしたい。「じゃあ、家でアイス・コーヒーをつくりましょうか!」と袖を捲り上げ意気込んだ途端、脳裏によぎった昨年の初夏。「あれ?そういえば、去年家で作った時はうまくかなかったよなァ、気合を入れてアイス・コーヒーをつくったけどなんか色が濁っちゃったっけ?」せっかく作ったコーヒー、見た目もクリアに涼しげに楽しみたいところ。ならばその原因から探っていこうではないか!
濁りの原因:成分
アイス・コーヒーが濁ってしまう原因には種類がある。まず一つ目。コーヒー・ピープルならご存知のカフェイン、そしてポリフェノールの一種のクロロゲン酸。その二つが合わさったものがコーヒーを濁ってみせるケース。というのもこの二つ成分の複合体は低温では溶けにくい特徴があり、それがコーヒーを濁ってみせているわけだ。
濁りの原因:フィルター
そしてもうひとつは使用するフィルター由来の濁りである。コーヒーのフィルターは、布、紙、金属とさまざまな種類がある。それぞれ抽出器具や、抽出方法によって使い分けていることだろう。なかでも布製のフィルター(ネルドリップやサイフォンもしくは水出しで使うことも)は汚れが付着しやすいため、一度使用したらしっかりと洗浄することが重要になってくる。そして、金属製のフィルターはコーヒーの油分をしっかりと抽出するので、使用してる豆によっては特有の濁りが生じるのだ。
と、まァ小難しい話をしてみたが、コーヒーには高温の状態だと溶けやすい成分と、低温で溶けにくい成分があるというわけである。つまり後者の成分がクリアなアイス・コーヒーを目指している我々のコーヒー・ライフを脅かしているというわけだ。
そして、大事なのはフィルターや、使用器具の洗浄。さらにフィルターの特性を理解することで、よりクリアなアイス・コーヒーの高みへと近づけることだろう。
具体的な原因がわかったところで次章では、クリアなコーヒーを淹れるポイントを伝授しよう。
自宅でクリアなコーヒーを淹れる際のポイント3選
1.急冷する
まず、ドリップでアイス・コーヒーを作る際、出来上がったコーヒーをなるべく早く、いや即座に氷などで冷やしてもらいたい。それだけでコーヒーの成分が冷めていく過程で起きる結合を防げるのだ。しっかりと使用する器具を温めてそれから抽出するのもさらに効果を高めるポイント。少しでも理想のアイス・コーヒーに近づけるための一手間だが、これをやるだけで見た目がクリアになるのでぜひ一度試してほしい。
2.器具の洗浄
前章でも紹介したが何よりも器具の洗浄が重要である。コーヒーは挽いた豆とお湯というシンプルな材料で簡単に作れるため、外的要因を受けやすい。これはアイスに限らずホットでもだ。抽出器具の洗浄不足は味や、見た目の濁りにつながってしまう。お気に入りの白シャツについたコーヒーのシミが取れにくいように、コーヒーのシミは落ちにくいので、使用したらすぐに洗浄すると効果大。実はコーヒー専用洗剤などもあるので、布フィルターを使用する方や、エスプレッソ・マシーンを使用する方は興味があればチェックしてみて。
3.フィルターの特性を理解する
フィルターには種類がある、それによってコーヒーを濾過する面の粗さが変わるのだ。ペーパー・フィルターは、布や金属と比べても面が細かいため、コーヒーを挽いた際にどうしても出てしまう細かい粒子がカップに落ちるのを防いでくれる。反対に布や金属はそれと比べると面が荒いためどうしても微粉などがそのまま出やすい。対策としてはふるいを使ったりして微粉を除去するのも効果的だ。
この書き方だと筆者がペーパー・フィルター信仰者だと誤解されかねないので補足するが、実は金属や布で作るアイス・コーヒーはウマい。
濁りという部分にフォーカスを当てたため、今回お引き取りいただいただけである。次章はそんな布と金属フィルターにお戻りいただき、彼らにスポットライトを当ててみよう。
とろみがあるアイス・コーヒーもウマい
濁りのリスクを、出来る限り回避し抽出した布や、金属フィルターを使用したアイス・コーヒーは、ペーパーにはない良さがある。やはり、コーヒーの油分をダイレクトに感じることができるため、口当たりがとろっとしているのだ。 こちらは喉を潤すというより、じっくりと楽しめるのが醍醐味。休日の昼下がりに心地よい音楽でも聴きながら試してみては?
あとがき
見た目がクリアなコーヒーそれだけで少し涼しくなった気がする。夏といえば虫取り網、ラジオ体操、スイカで育った小学生の頃には考えられなかったが、オトナになるとこういった楽しみがどんどん増えていくのもまた一興。時たま童心に帰りつつ、今年の夏はコーヒーだけでなくほかの水分補給も忘れずにこの暑さを乗り越えていこう。それではみなさま素敵なコーヒー・ライフをお過ごしください。
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