カッピングとは、コーヒー豆のバイヤーやバリスタがコーヒーの品質や風味などを確かめるために行う、ワインで言うテイスティングのような工程です。
コーヒーの淹れ方の上手さに関係なく、コーヒー豆本来の品質を平等に確認できるのが最大の特徴で、誰にでも簡単にでき、特別な道具も必要ありません。
今回は、そんなカッピングについて、わかりやすくご紹介します。自分好みのコーヒーを探すのにも役立ちますので、ぜひやり方を覚えてご自宅で試してみてくださいね。
カッピングの目的
カッピングは、コーヒー豆の素材そのものの味を確かめるものです。淹れる技術に左右されないので、複数のコーヒー豆の本来の味を平等に評価できます。
このため、バイヤーがコーヒー豆の買い付けを行う際や、品評会、バリスタが焙煎具合を確かめるために行われることが多いです。
カッピングで確かめているのは、コーヒーの香りや味だけでなく、品質の善し悪しも含まれます。
コーヒーの香りや味
バリスタが行うカッピングは、コーヒー本来の風味を確かめるために行われます。
お客様に提供するのに適切かどうか、カッピングでコーヒー豆の焙煎具合を確認します。また、どのようにコーヒーの味を引き出すかを考えるための検討材料にもなるので、バリスタにとっては非常に大切な工程です。
品質の善し悪し
バイヤーが買い付けの際に行うカッピングは、品質の善し悪しを評価しています。様々な豆をほぼ平等な条件で確かめられるため、どんなコーヒーを仕入れるかを検討するのにカッピングは欠かせません。
場合によっては、カッピングの結果を農家にフィードバックすることもあります。
カッピングの手順と評価のタイミングは?
カッピングでは、まず香りを確かめます。コーヒー豆とお湯を使いますが、分量の目安はコーヒー豆10gに対しお湯は180mlです。
複数のコーヒー豆を比較する場合には、必ず同じ種類のカップを使用しましょう。カップが違ってしまうと、冷め方などに差が出てしまい、平等に評価できないためです。
香りを確かめるタイミングは、ドライ・クラスト・ブレイクの3回あります。評価の方法ですが、カッピング初心者の場合にはあまり難しく考えず、「ナッツのような香り」「深みのある香り」など、感じたままの香りを表現するだけでも十分です。
ドライ
10gのコーヒー豆を中粗挽きに挽いて耐熱のカップに入れ、挽きたての香りを確かめます。乾いている状態のコーヒー粉に鼻を近づけて確認する場合がほとんどですが、必要であればカップを少しゆすっても良いでしょう。
クラスト
コーヒー粉に約92度のお湯180mlを注ぎ、1分経った状態の香りをかぎます。この時、時間を正確に計りたいので、必ずタイマーをセットしましょう。
ブレイク
コーヒー粉が沈んだ頃、スプーンでかき混ぜて、表面のアクを取り除いてから香りを確かめます。だいたいお湯を注いでから4分後が目安です。
テイスティング
香りを確かめたら、次はコーヒーの味の評価です。方法は、最初にお湯を注いでからだいたい10分後から始め、カッピングスプーンという専用のスプーンで上澄み液をすくい、すするように口に含みます。
評価するのは、主に香り・酸味・コク・余韻の4項目です。その他にも甘み(スウィートネス)や、風味と酸味とコクの調和(バランス)なども確認します。
また、熱い状態だけでなく、冷めていく過程も確認するので、何度も同じ作業が必要です。
香り(フレーバー)
香りは、コーヒーの輪郭を決めると言っても良いほど重要です。ナッツのような香り、アプリコットのような香りなど、多くは他の食べ物にたとえて表現します。鼻と口の奥で風味を感じて評価しましょう。
酸味(アシディティ)
コーヒーに含まれる酸味を評価します。酸味はコーヒーの甘さを際立たせる魅力的な要素です。爽やかさや繊細さがどれほどあるかなど、酸味の強さというよりは質を確かめます。
コク(ボディ)
コーヒーのコクも大切な評価基準です。表現の仕方は様々ですが、コクが上質であればバターやクリーム、ベルベットなどにたとえられ、悪ければ水っぽいや軽い、ざらざらしたなどと評価されます。
余韻(アフターテイスト)
コーヒーを飲んだ後に口に残る渋みを評価します。長く甘く残るのか、嫌な苦味が残るのかなどがチェックポイントです。味というよりも香りが重要になります。
カッピングで自分好みのコーヒーを見つけよう
今回は、コーヒーの品質や味を平等に評価する、カッピングについてご紹介しました。コーヒーのプロが行う繊細な作業というイメージですが、実は素人でも自宅で簡単にできます。
最初は、違いがわかりにくかったり風味を表現しにくかったりするかもしれません。ですが、何度かカッピングしているうちに香りや味の違いが際立ってわかるようになります。
カッピングをすると自分好みのコーヒーを見つけやすくなるので、この機会にぜひカッピングに挑戦してみてくださいね。