こんにちは、岩田リョウコです。みなさん、カフェで注文する時、いつものコーヒーじゃなくて他のものを試してみたいのに、なんだか焦ってしまって結局コーヒーにしてしまうってことありませんか?
わたしはコーヒーを飲み始めた頃そんなことばかりでした。初めてのものを頼んで「ミルクはどうします?」なんてよくわからない質問されたらどうしよう?とか、行く店によって呼び名が違ったり、あれとこれは何が違うのか聞きたいけど列が長くて聞きにくいとか……。うーん、挑戦しにくい!
絵で見る定番ドリンクの中身
実は「ラテとカプチーノ、なにが違うんだろう?」と思って調べたのが、コーヒーのサイトを作り、本を書くことになったきっかけでした。先に軽く予習して「今日は新しいドリンクに挑戦しよう!」と決めていけば焦ることもないですし、メニューに載っているドリンクをいろいろ試していくのが楽しくなると思います。まずカフェで定番のメニューから、一体どんな飲み物なのか、何が入っているのかを見ていきましょう。わかりやすくイラストで説明しますね。
ドリップとアメリカーノの違い
最初はコーヒーの基本「ドリップコーヒー」と「アメリカーノ」から。見た目はどちらも同じようですが実は抽出方法が違います。
ドリップは前回の記事で紹介した通り、挽いたコーヒー豆をフィルターに載せて、お湯でゆっくりろ過させる抽出方法。
一方、エスプレッソはまずハンドルのついた金属製のフィルターバスケットに細かく挽いた豆を入れてタンパーと呼ばれる道具でぎゅうぎゅうに詰めて平にならします。バリスタさんが全身を使って詰めてるところ、見たことある方もいるのではないでしょうか?あの作業です。それからエスプレッソマシンにセットして、圧力をかけて一気に抽出します。
味の違いはざっくり言うと、ドリップはすっきりとした味わい。アメリカーノはコクのある濃厚な味わい、ですね。
アメリカンとアメリカーノは同じ?
カフェのメニューで「アメリカーノ」って書いてあるところと「アメリカン」になっているところがあったりして「同じもの?違うもの?」と気になっていた方、それすごい気づきです!
実は「アメリカーノ」と「アメリカン」はまったく別の飲み物なんです。紛らわしいですよね。日本に帰ってきて喫茶店に入った時「アメリカーノ」の訳が日本では「アメリカン」なのかなと思って注文したら、すごく薄いコーヒーが出てきました。
調べてみると、「アメリカン」は和製英語で「薄いコーヒー」という解釈が日本で広まってできた薄め・浅煎りのドリップコーヒーのことを指すんです。サードウェーブ系のカフェでは「アメリカン」はメニューになくて、喫茶店のメニューによくありますね。アメリカには「アメリカン」は存在しないんですよ。日本独自のものです。
アメリカって書きすぎて、今ゲシュタルト崩壊が起こっています!(笑)
カプチーノ、カフェラテ、カフェオレの違い
次はミルクを使ったドリンクの定番を3つ。これもカップに入ってしまうと同じように見えますが、中身は結構違います。材料は、カプチーノとラテは同じで「ミルクとエスプレッソ」、そしてカフェオレは「ミルクとドリップコーヒー」です。上ですでにエスプレッソの勉強を少ししたので、味の想像がつくかもしれませんね。同じような材料ですが、作り方が違います。こんな感じです。
カプチーノは「フォームミルク」というふわふわの泡の比率多いため、エスプレッソの味わいを強く感じます。カフェラテはきめ細かいスチームミルクがエスプレッソと混ざり合ってふたつの味のバランスがちょうど同じような感じです。そしてカフェオレは、濃いエスプレッソではなくコーヒーを使っています。やさしいほっこりしたミルクが主体のドリンクです。
マキアートは甘くない?
マキアートと聞くと甘いキャラメルとホイップのデザートドリンクを思い浮かべる方も多いかもしれません。でも本当のマキアートは結構エスプレッソ強めのドリンクなんです。
カプチーノよりもエスプレッソの割合が多く、お店にもよりますがフォームミルク1:1エスプレッソのような割合で作られることが多いです。
そして定番のデザートドリンクといえばカフェモカです。チョコレートシロップが入っていて、チョコやホイップがのせられていることもあります。エスプレッソドリンクに挑戦したいけど、苦すぎるのは……という方はカフェモカから始めるのもいいかもしれないですね。
同じ材料でも作り方や割合でいろんなドリンクができてしまうのもコーヒーのおもしろさかもしれません。ここまでが一応、定番で基本的なドリンクですが、実はこの応用バージョンもたくさんあるんです。それについては後編でご紹介しますね。
「はちみつと卵とコーヒー?!世界のコーヒーやデザートコーヒーのおすすめ」はこちら
Vol1 「インスタントコーヒーからハンドドリップへの道」はこちら
【岩田リョウコ氏プロフィール】
シアトル在住中の2012年にコーヒーの基本、トリビアなどをわかりやすくイラストで説明するコーヒーサイト「I Love Coffee」を立ち上げる。月間ページビュー150万のサイトに成長。2015年にはサイトが書籍化され、Amazonランキング全米1位のベストセラーに。世界5ヵ国で翻訳出版されている。著書に『週末フィンランド ちょっと疲れたら一番近いヨーロッパへ』(大和書房)、『エンジョイ!クラフトビール 人生最高の一杯を求めて』(KADOKAWA)、『コーヒーがないと生きていけない! 毎日がちょっとだけ変わる楽しみ方』(大和書房)、『HAVE A GOOD SAUNA! 休日ふらりとサウナ旅』(いろは出版)がある。