コーヒー豆のバイヤーやバリスタが行う大切な工程、カッピング。複数のコーヒー豆を平等に評価できるため、コーヒーの品質や焙煎具合を確認するのに使われます。
カッピングは、コーヒーを入れる技術にも左右されません。特別な道具も必要ないため、素人でも簡単に自宅でできます。
今回は、コーヒー通の入門とも言えるカッピングについて、その方法や使う道具についてご紹介します。自分好みのコーヒーを探す手助けにもなるので、この機会にぜひ手順を覚えてカッピングに挑戦してみてくださいね。
カッピングの方法は難しくない
カッピングの手順はシンプルなので、慣れてしまえば素人でも手際よく行えます。カッピングを試す前には、以下の7つの手順を頭に入れておきましょう。
1.カップに挽きたてのコーヒー粉10gを入れて香りを確認する
2.沸騰したお湯150mlを注ぐ
3.1分後に香りを確認する
4.4分後にスプーンでかき混ぜてから香りを確認する
5.表面に浮かんだ泡や粉を丁寧に取り除く
6.5分後(お湯を注いでから10分後)にカッピングスプーンでテイスティングする
7.冷めるまで5分おきにテイスティングを繰り返す
分量を正確に量ったり時間の計測をしたりするだけでなく、カッピングスプーンを都度洗って水気を拭き取るなどの細かな作業があるので、慣れないうちは忙しく感じるかもしれません。
このため、初心者のうちはコーヒー豆を2種類から始めて、慣れてきてから徐々に種類を増やすのがおすすめです。
カッピングに使う5種類の道具
カッピングには、主に5種類の道具を使います。全ての道具はご自宅にあるもので代用できるので、特別な器具などを購入する必要はありません。
スケール
カッピングは複数のコーヒー豆を同じ条件で確かめるものなので、コーヒー豆の分量も全く同じにする必要があります。
カッピングで使用するコーヒー豆の分量はだいたい10〜15gと少量なので、なるべく細かな分量まで計測できるスケールがおすすめです。
また、計量する際には、他の種類のコーヒー粉が混ざらないように注意しましょう。
カッピングスプーン
テイスティングの工程で使う、カッピング専用のスプーンです。底が深くなっており、通常のスプーンより丸みを帯びていて、吸い込みやすくなっています。
専用のものは1,000円から2,000円程度で売られていますが、普段使っている大きめのスプーンやレンゲでも代用できます。
カッピングスプーンにはなるべく口を付けないようにコーヒーを一気にすするのが、正しい使い方です。霧状に吸い込むと多く空気に触れさせることになるので、より風味や香りを感じやすくなります。
カップ・グラス・ボウル
カッピングに使用するカップやグラスは、全て同じものを使います。カップの大きさや種類が違ってしまうと、コーヒーの冷め方や味の劣化に違いが出てしまい、平等に評価できなくなるためです。
150mlのお湯を注ぐので、200ml程度の大きさのものが良いでしょう。
また、コーヒー粉を入れるグラスの他に、スプーンを洗うためのコップや、すすったコーヒーを吐き出すボウルなども別に用意する必要があります。
ケトル
カッピングにはお湯を沸かすケトルが必要です。しっかりと抽出したいので、お湯の温度はなるべく沸騰したての95℃前後ものを使います。
気を付けたい点としては、ケトルの材質です。鉄製のケトルで沸かしてしまうと、お湯に鉄分が溶け出し、コーヒーに含まれるタンニンと鉄分が反応してしまいます。
このため、ケトルはステンレス製やホーローのものがおすすめです。また、沸騰したてのお湯を使いたいので、電気ポットや電気ケトルで保温したお湯を使うのは避けましょう。酸素が逃げてしまい、風味に違いが出てしまいます。
タイマー
カッピングでは抽出時間を正確に計測する必要があるため、タイマーは必須アイテムです。
具体的には、お湯を注いで1分後と4分後に、カップごとにコーヒーの香りを確認します。その後、5分おきにそれぞれのカップをカッピングスプーンを使ってテイスティングをします。
このため、タイマーのカウントダウン機能だけでなく、連続して5分おきにアラームがなるものだと、より便利です。経過時間もわかるとなお良いでしょう。
早速カッピングを試してみよう
コーヒーのプロが行うイメージの強いカッピングですが、実は初心者でも自宅で簡単にできます。特別な道具はカッピングスプーンのみですが、普段使っている大きめのスプーンやレンゲでも代用が可能です。
カッピングは平等に複数のコーヒー豆の風味や香りを評価できるので、自分好みのコーヒーを探すのに役立ちます。
カッピングは細かく丁寧な作業が必要ですが、難しい工程はありません。誰でも今日から出来るので、新しいコーヒー豆を購入したら、ぜひカッピングを試してみてくださいね。