
2025年3月27日、東京都北区の聖学院小学校内にある「聖学院アフタースクール」にて、耐熱ガラスメーカーであるHARIO株式会社が小学生向けに特別授業を実施しました。本プログラムは、同社が展開するキャリア教育の一環として行われたもので、子どもたちが「働くこと」や「ものづくり」に触れる貴重な機会となりました。
今回は初めての試みとして、保護者の方も一緒に参加し、家庭とアフタースクール、企業が連携して「将来を考える時間」を共有する内容となりました。
コーヒーの香りに包まれた教室で
当日は、小学1年生から4年生の子どもたちとその保護者の方々が参加されました。HARIOの社員の中村さんと大木さんが講師を務め、ハンドドリップやフレンチプレスといった本格的なコーヒー抽出を体験するプログラムが展開されました。

授業の冒頭では、HARIOの事業紹介やコーヒー器具に関するクイズなども行われ、和やかな雰囲気のなかでスタートしました。「将来の夢はありますか?」という問いかけに多くの子どもたちが手を挙げる様子が見られ、自分の未来について考えるきっかけづくりが意識されていました。
講師の社員は、製品開発や日々の業務についても紹介しながら、「働くこと」が子どもたちにとってより身近に感じられるよう工夫されていました。

子どもたちが自分で淹れる一杯に夢中
授業の後半では、いよいよメインとなる「バリスタ体験」が始まりました。中村さんによる実演を見たあと、子どもたちは実際に自分の手でコーヒーを淹れる工程に取り組みました。

使用した器具は、HARIOを代表する「V60ドリッパー」などのハンドドリップ製品とフレンチプレスで、子どもたちは真剣な表情でお湯を注ぎ、コーヒーの味の違いを確かめながら、自分の淹れた一杯を保護者に嬉しそうに振る舞っていました。
また、豆を挽く作業に夢中になる子どもたちも多く、教室全体がコーヒーの豊かな香りに包まれていたのが印象的でした。


サイフォン実演に歓声、理科の実験のような演出も
プログラムの締めくくりには、社員によるサイフォン抽出の実演が行われました。教室の照明を落とし、加熱によりガラス器具内の水が上下に移動する様子を見せると、まるで理科の実験のような光景に、子どもたちからは歓声が上がっていました。
なかには「自宅にサイフォンがある」という家庭もあり、日常生活と結びついた学びにつながる場面も見られました。


感想から見える子どもたちの学びの成果
プログラム終了後には、コーヒーレシピと感想シートが配布されました。子どもたちはその日の体験をイラストや文章で自由に表現し、「またやりたい」「大人になったらコーヒー屋さんになりたい」といった前向きな声が多く寄せられました。
時間を忘れるほど集中して取り組んだ姿からは、「楽しい」から始まるキャリア教育の可能性が感じられました。

地域・家庭・企業がつながる、新しい学びの形
子どもたちの主体性を重視する教育現場と、企業の専門性を活かした連携が実現した好例として、今後の広がりにも期待が高まっています。
親子で参加できる形式は、家庭内での会話を促し、学びの定着につながるといった点でも注目されています。

「ものづくり」から「人づくり」へ
HARIOは、耐熱ガラス器具を製造・販売するメーカーとして長い歴史を持ちながら、広報活動の一環として子どもたちの体験授業の取り組みを始めました。
今回のような体験型のキャリア教育は、子どもたちにとって「働くこと」や「職業」に対するイメージを具体化させ、自分の将来を考えるきっかけとなります。企業が学校教育と連携し、次世代育成に貢献していくことの重要性が、あらためて実感される一日となりました。
今後もこのような取り組みが多くの子どもたちに広がっていくことを願っています。
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