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コーヒーポリフェノールによるインナーケアで全身うるおい美肌

うるおいや透明感など、美肌を保つためにもっとも大切なものは皮膚の水分量です。しかし皮膚の水分量は加齢とともに減少し、深刻な乾燥やシワを引き起こします。


一方、近年の研究によるとコーヒーポリフェノールとも呼ばれるクロロゲン酸の摂取により、皮膚の水分量が増加することが認められました。本記事ではクロロゲン酸がもつ水分量改善のメカニズムと、コーヒーによるインナーケアについてを解説します。

うるおいと透明感を左右する角質層とは

私たちの肌は表面から「角質層」「真皮層」「脂肪層」で構成されています。このうち最外層にある角質層が体内の水分蒸散を防ぎ、紫外線などの外的刺激から体を守るバリア機能としての役割を担います。


表皮の一番下に位置する基底層では日々新しい角化細胞がつくられ、分化を繰り返しながら皮膚の表面へ押し上げられます。分化の過程で細胞核やミトコンドリアを失った死細胞は、角質細胞と呼ばれ、その隙間を埋めるセラミドなどの脂質類とともに角質層を形成します。


保湿や外的刺激から体を守るバリア機能としての役目を終えた角質層は、やがて垢となり排出されます。これら一連の代謝回転をターンオーバーといい、正常な回転により肌のうるおいや透明感が保たれるといえるでしょう。


コーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」のもたらす作用

クロロゲン酸とはポリフェノールの一種です。コーヒー生豆に多く含まれることからコーヒーポリフェノールとも呼ばれています。


ポリフェノールにはさまざまな種類があり、天然由来だけでなく酸化防止剤としての合成物も含まれます。天然由来だけでも約8000のポリフェノールが認められ、そのなかでもフラボノイド類・単純フェノール類・縮合型タンニン類の有効性が研究ターゲットとされています。


コーヒーポリフェノールのクロロゲン酸は、単純フェノール類です。ポリフェノールの種類により体内での作用は異なり、クロロゲン酸は体脂肪の低減や血管内皮機能の改善が示唆されています。また、近年では血管力※や皮膚水分量の向上が認められ、クロロゲン酸含有の機能性表示食品なども発売されています。


※血管力:若々しく弾力がある血管によりスムーズな血流を促す力のこと


クロロゲン酸による皮膚水分量と美肌効果

うるおいとツヤのある美肌を保つためには、皮膚細胞の活性と代謝が重要です。全身を巡る血管の中ではつねに血液が循環し、生命維持はもちろんのこと、皮膚に必要な酸素や栄養を届けています。しかし加齢とともに血管はしなやかさと弾力を失い、血管力は少しずつ低下します。酸素と栄養が行き届かない皮膚は、ターンオーバーの乱れや角質層の水分量低下により、乾燥をともなうシワや肌荒れを引き起こすでしょう。


クロロゲン酸のもたらす血管力と、皮膚水分量の向上に着目した研究は国内外でおこなわれています。ある化粧品メーカーのランダム化二重盲検並行群間試験によると、クロロゲン酸含有の飲料を8週間、継続摂取したグループでは角質層の水分増加が認められました。また、クロロゲン酸による皮膚水分量の向上は顔だけでなく、手背や下肢など全身の乾燥改善に有用とされています。


毎日のコーヒータイムで気軽にうるおいインナーケアを

研究が進むとともにクロロゲン酸は、皮膚水分量の向上以外に肌のpHバランスを整え、天然保湿因子(NMF)を増加させることが報告されています。クロロゲン酸配合のタブレットやドリンクタイプの機能性食品も登場し、今後ますます市場拡大が見込まれるでしょう。


一方、クロロゲン酸含有の機能性食品は比較的高額な傾向にあり、一度限りの購入で摂取をやめてしまう方も少なくありません。クロロゲン酸による美肌効果を引き出すためには、適量の継続摂取が何より大切です。


美肌のためには、1日あたり約270mgのクロロゲン酸が必要とされています。コーヒー1杯あたりのクロロゲン酸量は、約280mg(焙煎や抽出方法により異なる)であり、毎日のコーヒータイムでインナーケアをおこなえるといえます。

熱に弱いクロロゲン酸を効率的に摂取するためには、浅煎り水出しコーヒーが推奨されています。毎日1杯のコーヒーで、気軽に美味しくうるおい美肌を目指しましょう。

HARIO水出しボトル一覧:https://shop.hariocorp.co.jp/collections/icebrew

株式会社MEDITOWA 美容医療ライター 城戸香


参照文献

C. Manach, A. Scalbert, C. Morand, C. Remesy & L. Jimenez: Am. J. Clin. Nutr., 79, 727 (2004)

Hypertens Res 27(10),731-737,2004

Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療)37(4),333-344,2009

日本コーヒー協会:https://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/library/facts/

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