ブラジルで作られているセラードコーヒーとはどういう特徴がある?

ブラジルで作られているセラードコーヒーとはどういう特徴がある?

セラードコーヒーと聞いて、「あぁ、ブラジルの美味しいコーヒーね」と思う人は少ないのではないでしょうか。

実は、ブラジルで作られているセラードコーヒーは日本と深い関係があります。

今回は、あまり日本で知られていないセラードコーヒーの特徴と日本の関係を解説します。

セラードコーヒーとは

セラードコーヒーとは、日本の5倍も面積があるブラジルのミナスジェライス州の広大なセラード高原で作られているコーヒーですが、この地域で作れば、どんなコーヒーでもセラードコーヒーと呼べるわけではありません。

セラード地域で生産されるコーヒーの中でも一定基準をクリアしたもののみ「セラードコーヒー」として認められるのです。

セラードコーヒーと日本の関係

多くの日本人がブラジルに渡り農業をしていた歴史を知っている人は多いでしょう。

ここでは、ブラジルに日本人が渡った歴史とセラードコーヒーの関係を簡単に説明します。

時は1909年、北海道や東北での過酷な農作業から逃れるために、夢や希望を持った第一回移民団781名を乗せた船がブラジルのサントス港に入港しました。ここから日本人移民団のブラジルでの生活が始まります。

お金持ちになることを夢に入植したブラジルですが、実際は、過酷な労働や風土病、排日運動、戦争など想像を絶する苦労の連続でした。

しかし、それでも日本人入植者は、土を相手に農業を続けていき、今日では日系2世、3世が目覚ましい活躍を見せてコーヒーだけでなく多くの農作物の生産に寄与し日本とブラジルの架け橋となっています。

特に、セラードコーヒーが育つセラード地域は、一年の半分が雨の降らない乾期であることから農業に適さない土地と考えられていましたが、1976年に「日伯セラード農業開発協力事業」が始まり、日本が資金や技術面で協力することになりました。

そのことから、日系2世、3世が90人ほど入植してセラード地域の開発に心血を注ぐようになったのです。

その後、日本の技術協力によって近代的な農業技術や品種育成、栽培技術の改良の結果、セラード地域は、ブラジル最大の農業地帯として発展しました。

今では、コーヒーや綿、トウモロコシの一大生産拠点として知られているセラード地域は、土を大切にして改良を行い、作物を慈しむ日本式定住農業との深い関係によって今日のような発展を遂げたのです。

セラードコーヒー

奇跡のコーヒー「セラードコーヒー」ができる理由と特徴

セラードコーヒーは、ブラジルコーヒー特有といえるチョコレートのようなフレーバーとクリアな味わいが特徴ですが、どのようにしてこの味わい深いコーヒーができるのでしょうか。

標高と日照時間
セラード地域の平均標高は1,000mです。そのため、一日の寒暖差が大きく引き締まった豆の生育に適しているだけでなく、赤道に近いので、コーヒーが大好きな日光にたくさん当たることができます。

また、コーヒーの大敵である霜の被害も受けないことから良質な豆が安定して収穫できるのです。

適度な水分
バランス良く雨が降るので、年間の降水量がコーヒーを始めとする作物の生育に適しています。

特に、コーヒーに限っては、収穫時期に雨が少ないので、乾燥不良による豆の発酵やカビなどで変質して味が変化することもありません。

精製方法
ブラジルでは、コーヒーを収穫した後にハンドピックで欠点豆や異物などを取り除きコーヒーチェリーをそのまま天日干しするナチュラル製法が主流です。

セラードコーヒーも、主にナチュラル製法で精製しますが、農園によっては、水洗機械を利用することもあります。

乾燥法
選別し、果肉を取り除いたコーヒーチェリーは、すぐに乾燥場に運ばれて水分を飛ばします。

ここで重要なのは、均一に太陽へ当てるようにして乾燥ムラを作らないことです。

そこで、セラードでは、ウィンドドライと呼ばれる高床式の手法でコーヒーチェリーを乾燥させています。

セラードコーヒーといえるのは?

ブラジルでは、コーヒーの品質よりも生産量を重視する傾向にあったため、個性的ではないコーヒーが量産されていた歴史がありました。

もちろん、セラードコーヒーも農園によって品質にばらつきがありましたが、農園ごとの品質の差は、生産地のマイナスイメージにつながることから、セラード地域の農園が結束してセラードコーヒー生産者協議会(カセール)を立ち上げました。

このカセールによって一定基準をクリアした認証農園のコーヒーに生産地品質保証書やタグをつけるなどの方法でセラードコーヒーの品質を保証しています。

また、カセールでは、品質の維持や工場、安定供給を図り、類似品、偽物を排除する活動を行っています。

ブラジルのセラードコーヒーは、カセールのタグや証明書がついていることを覚えておきましょう。

ブラジルのセラードコーヒー

ブラジルで苦労をした日本人を想いつつ…

世界的にも有名なブラジルのセラードコーヒーは、日本の移民団が苦労して花を咲かせたコーヒーです。

遠い異国で大変な思いをしてコーヒー栽培を成功させた日本人の気持ちに想いを馳せながら、セラードコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

きっと、先人たちが未開の地を開拓して作り上げた奇跡の味を味わえるはずです。

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コーヒーステーション編集者
自分ではなかなか難しいコーヒー選びをサポートすること。コーヒー器具の開発、販売を手がける株式会社ハリオ商事自ら、コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の選び方などを発信しています。

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