普段、何気なく飲んでいるコーヒーのグレードについて、考えたことはありますか?
市販されているコーヒーでも十分においしいため、グレードも高いのではないかと思う人も多いと思います。
ですが、最も流通しているコーヒー豆のグレードは「コモディティコーヒー」で、コーヒーの4つあるグレードの3番目となります。
しかし、3番目のグレードとはいえ、味が劣っているわけではありません。コモディティは誰にでも愛される普遍的な味とも言えるのです。
そこで今回は、最も飲まれているコモディティコーヒーについて、グレードや取引方法などについて紹介します。コーヒー豆を選ぶ際には、ぜひ参考にしてくださいね。
コモディティコーヒーとは
コモディティコーヒーとは、「商品先物取引」によって需要と供給のバランスで価格が決まり、売り買いされるコーヒーを指します。大量消費型のコーヒーを指し、最も一般に流通しているグレードです。
流通に特化しており、比較的安価である特徴があります。
ちなみに、最高ランクのスペシャルティコーヒーは「現物取引」で、品質によって価格が決まります。
コモディティコーヒーはグレードが低い?
コーヒーのグレードは上から「スペシャルティ」「プレミアム」「コモディティ」「ロー」となっており、コモディティは下から2番目のグレードです。
しかしながら、コモディティにもハイグレードからローグレードまであり、ハイグレードのものはプレミアムに近い品質があります。
スペシャルティとコモディティでは、味の特徴が違います。スペシャルティコーヒーは、独特の風味や香り、味を持っており、際立っているのが特徴です。
一方、コモディティコーヒーには際立った特徴がなく、広く一般的に誰にでも楽しめるコーヒーとなっています。
国ごとの規格
コモディティの評価は原産地の基準で格付けされます。主な評価基準は、豆のサイズや数、味、栽培場所などです。
このため、規格も原産地により異なります。
例えばブラジルでは、300gの生豆見本を使い、欠点のある豆の数、豆の大きさ、味の基準を減点方式で評価します。
具体的に言うと、欠点のある豆は目視チェックです。発酵した豆や黒く変色し豆、カビが生えた豆が混ざっていないかをチェックします。そして豆の大きさは、穴の開いたふるいにかけて1〜10の数字を割り当てます。
さらに味は、コーヒーをお湯に浸した液の味を「カッピング」にて評価します。
なお、焙煎度合いは、中煎りや深煎りのものも多いです。
コモディティのグレードであったとしても、しっかりとチェックされた高品質のコーヒーが流通していると言えます。
調達の原則
コーヒー豆の多くは、赤道近くで作られています。開発途上の国が生産国ある場合が多く、品質が良いものを作っていたとしても、安い賃金での労働を余儀なくされている場合も少なくありません。
このような国際的な不公平をなくすため、コーヒー豆は公平な取引によって調達しようという動きが盛んです。
こうした公平な取引のことを「フェアトレード」と言い、コーヒー豆だけでなく、カカオ豆やコットンなどでも行われています。
マックスハベラー発足
フェアトレードの動きが本格化したのは、1988年にフェアトレードの組織であるマックスハベラーがオランダで発足したのがきっかけです。
マックスハベラーの発足によって、国際フェアトレード基準を設定し、基準を遵守した製品に共通のラベルを貼付して消費者に知らせる仕組みが作られました。
今では世界各国にフェアトレードの動きは拡散しています。
ですが、一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムで行われた調査では、日本での認知度は32.8%と低いのが現状です。
フェアトレード国際基準
コーヒー豆の生産者が、安定した生活を送れるように、「経済的基準」「社会的基準」「環境的基準」が定められており、全てをクリアしないとフェアトレードのラベルはもらえません。
労働者にとって最も重要である「経済的基準」には、以下の4つが当てはまります。
1.最低価格が決められている
2.「フェアトレード・プレミアム」という奨励金を支払う
3.長期的な取引の促進
4.必要に応じた前払い
その他、「社会的基準」では、児童を労働させないことや、男女や人種によって値段を変えないことが定められています。また、「環境的基準」では、地球にやさしい生産を心がけることなどが決められています。
なお、世界的なコーヒーショップ「スターバックス」のコーヒーに、フェアトレードコーヒーが使われていることは、有名です。
まとめ
今回は、一般的に飲まれているコモディティコーヒーについて、紹介しました。
コモディティコーヒーは、需要と供給のバランスで価格が決まるコーヒーで、比較的安価で流通しています。
グレードは上から3番目と高くはありませんが、広く愛される風味を持っています。
コーヒー豆の取引には、フェアトレードという方法があります。人種や男女の差別によって価格が変わることなく、また最低価格が保障されており、生産者の労働環境改善が目的の取引方法です。
日本での認知度は高くありませんが、世界的にフェアトレードの動きは広まっており、スターバックスでもフェアトレードコーヒーを使用しています。
美味しいコーヒーに関わる全ての人が幸福であるための意識が必要ですね。
これからのコーヒータイムでは、コーヒー生産者やコーヒーのランクに思いを馳せたり、コモディコーヒーの味わいについて深く考えてみてはいかがでしょうか。