一杯のコーヒーがもたらすセッションを楽しむ|須田 光さんがフォトグラファーとコーヒーバリスタ、二足の草鞋で生み出す良い時間

群馬県 桐生市を拠点に、ウエディングフォトやポートレート撮影等フォトグラファーとして活躍中の須田光さん。実は、プロのコーヒーバリスタとしても活動を行っています。ふたつの顔を持ち活動する須田さんの想いや、コーヒーを淹れる立場としての珈琲時間をお伺いしてみました。

<Profile> 須田 光さん instagram

1991年、群馬県桐生市出身。

27歳で高校教師からフリーのフォトグラファー兼珈琲屋に転身。自分自身が写真を通して幸せにしてもらった経験から、今度は自分が写真を通して幸せを届けたいと思いを持ち、フォトグラファーとして活動することを決意。また、珈琲を通じて人と人が繋がり、一杯のカップから様々なストーリーが生まれることが好きで、珈琲屋としても活動している。

「ダイレクトな反応がその場で得られる」という共通項

須田光さん(以下、須田。敬称略):まずは、せっかくなので一杯淹れてみましょうか。今日は、コーヒーステーションさんの取材ということで、HARIOさんの器具で淹れてみましょう。普段は移動販売もやっているのでプラ製のものを使うことが多いのですが、やっぱりガラスはいいですね。淹れるときに良い音がします。

--わあ、うれしい!ありがとうございます。すごくフルーティですね。いろんなフルーツの味がするような気がします。

須田:シトラスっぽい感じもあるけどベリーのような雰囲気もある。華やかな味わいで僕も大好きです。今日はよろしくお願いします。

--よろしくお願いします。フォトグラファーであり、バリスタでもある須田さんですが、元々は学校の先生をされていたのだとか。

須田:学生時代は部活に打ち込んでいて、その延長で教員になったようなところがあったのですが、教員という立場で学校に戻って働いているうちに、自分の身近な人が集まるような「場所」を作りたかったんだと、本当に自分がやりたかったことが見えてきたんです。それで、家族がよく淹れてくれていてコーヒーが生活の近くにあったので、自分でも淹れ始めてみた…というのがスタートです。写真は、教員を退職する直前くらいからクラスの子たちを撮影してあげようと、昔友人から貰ったカメラで撮り始めたのが最初です。どちらもご縁に恵まれて出会った人たちから、半ば勝手に教わりながら学びました。

--Instagramも拝見しましたが、写真も人を題材にされている作品が多いですね。「人」をメインフィールドに選んでいるのはなぜですか?

須田:実は結構幅広く撮影していて、何を撮るのも好きなのですがどれもその場で直接反応が貰えるのが嬉しいのはありますね。人を撮るうえでは、自分が撮りたいように撮るというよりは撮らせていただく方へのヒアリングを大切にしています。ただ、被写体任せにするのではなく、会話をしながらイメージをすり合わせていく中で、その人のキャラクターや魅力を観察して、それを作品にも反映させることを意識していますね。緊張をほぐすための声掛けも大切にしています。コミュニケーションの中でその人の一番いい部分を引き出していきたいと思っています。

--そういったコミュニケーションや対話への意識はバリスタの活動とも連動している?

須田:そうですね。連動という話で言うと、どちらも「突き詰めたらきりがないけれど、だからといって手を抜くとそれが成果物としてモロに出てしまう」ということ。そこは共通していると思っています。「こだわりが強い」と言われてしまうこともあるんですけれども(笑)、どちらもしっかりといいものを提供したいと思っています。

シーンや気分に応じて選ぶ、表情の豊かさを楽しむ

ーーバリスタの方がどのようなコーヒータイムを過ごされているのか、すごく気になります!コーヒーを飲むシーンや味のこだわりなどはありますか?

須田:コーヒーは気づいたら淹れていることが多いので難しいのですが…朝はもちろん飲みますし、PC仕事にも欠かせないです。なんとなく口が寂しい時におやつ感覚で飲むことが多いですね。人と話したりする時も、もちろんコーヒーがあると嬉しいですね。

シーンに応じてコーヒー豆も選ぶのもおすすめです。何も考えずに飲みたい時はシンプルな深煎り、とか、ゆっくり考え事をしたい時は華やかでいろいろな香りがするものを…とか。僕は、コーヒー豆の袋をひとつひとつ開けて状態をチェックして、その日に調子の良さそうな豆を選ぶことも多いですね。「こいつ、今日状態よさそうじゃん!」みたいな(笑)

--コーヒーは生きている!(笑)

須田:コーヒーを提供する立場としては、おすすめした豆をお客さんがチャレンジしてくださった時はやっぱり嬉しいので、コーヒー屋さんで店員さんとのコミュニケーションで楽しむのも良いのではないかと思います。

ちなみに、先ほどのコーヒーは浸透式で淹れてみました。豆が本来持っている風味を感じやすくなるんですよ。淹れ方によってコーヒーの味わいも全然変わりますし、人によって淹れ方にこだわりを持っていたりするので、そういうところにも注目してみるとコーヒーの奥深さを感じます。家でコーヒーを淹れる時も、浸透式で淹れることができるアイテムが売られているので、普段ハンドドリップで淹れている方も、気分に応じて使い分けてみると楽しいですよ。

一杯のコーヒーがもたらすセッションを楽しむ

ーーコーヒーを飲む時間は、フォトグラファーやバリスタとしての活動にもポジティブな影響を与えていると思いますか?

須田:僕は、誰かと喋りながらコーヒーを飲むのが好きなんです。仲間たちと旅先でアウトドアコーヒーを淹れることがあって、シンプルに気分転換になるというのもありますが、コーヒーをきっかけにコミュニケーションが生まれるのが楽しいですね。例えば、撮影の時にコーヒーを淹れることもあるのですが、バリスタもやっていると言うと驚かれることもありつつ、そこから話に広がりが生まれることもあるので、自分の活動に対してポジティブに連動しているな、と思います。

あとは、春先の桜の時期。お花見の会場に行って、「桜を撮ります!」みたいな営業活動を他のフォトグラファーさんがよくやっているのを見かけますが、僕はやってなくて。ただ、シートを広げてコーヒーを淹れながら、おやつと交換に一杯プレゼントしてみるとか、その際に「もし撮ってほしい人がいれば声かけてください」とか、そういうコミュニケーションを取っています。セッション的に小さなイベントが生まれれば楽しいですし、記憶にも残るので僕はそちらのほうが好きですね。

コーヒータイムは、それぞれ思い思いに過ごすのが良いと思いますが、個人的にはコーヒーをきっかけにコミュニケーションが生まれる瞬間が嬉しいです。「コーヒーがおいしい」とか、「変わった風味をしている」とか、小さくても会話が生まれるといいですね。

--コーヒーをきっかけにしたコミュニケーションを大切にしている須田さんですが、ぜひ今後の展望を聞かせてください。

須田:やはり、いろんな人がつながる場を作りたいという想いはすごくあります。マルシェイベントなどを企画してみたいです。カメラやコーヒーなどの媒体があれば、そういうつながりも生み出しやすいのでは…と思っています。日中はスタジオで写真撮影ができて、ちょっとしたお買い物もできて、疲れたらコーヒーを飲むなど、つながりを楽しめる一方で、人から離れたい時に一人でゆっくりと落ち着ける時間も過ごせるような、複合的なことができる場が自分の近くにあると嬉しいな、と思います。そういった場づくりにも今後挑戦していきたいですね。

インタビュー・執筆:三枝雄真

キービジュアルデザイン:川西令紗

記事の中に登場したアイテム


コーヒードリッパースイッチ サンライズ


真空二重マグコーヒーメーカー Zebrang


Amazonのアソシエイトとして、売上の一部がコーヒーステーションに還元されることがあります。

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