眠気覚ましや気分転換のために、コーヒーが欠かせないという人は多いのではないでしょうか。コーヒーに含まれる「カフェイン」にはさまざまな作用があるため、うまく付き合って効果を高めたいところです。
今回は、コーヒーに入っているカフェインの効果についてお伝えします。コーヒーに入っているカフェインの量や、1日に飲んでもよいコーヒーの量も紹介するので、コーヒーでシャキッとした日々を送りたいという人は参考にしてください。
カフェインの効果
カフェインはアルカロイドという化合物で、古来より覚醒作用があることで知られています。摂取後に約30分で脳に到達し、眠気覚ましや疲労の抑制、記憶力や運動能力の向上に役立つと考えられています。
カフェインの主な作用は以下の通りです。
・覚醒
人が眠気を感じるのは、脳内で睡眠を促す物質とそれを受け取る受容体が結びつくためです。カフェインは、睡眠を促す物質の代わりになって受容体と結びつく性質があるため、眠気を覚ます効果が得られます。
・むくみ対策
むくみは細胞内に水分がたまりすぎると発生します。カフェインには利尿作用があり、水分の排出促進が可能です。
・交感神経刺激
カフェインを摂ると交感神経が刺激され、体脂肪の燃焼が促されることで知られています。
他にも、血管拡張による血流促進効果、疲労感を抑制する興奮作用などの効果を期待できるのが特徴です。また、糖尿病やアルツハイマー型認知症、パーキンソン病への予防効果を持つ可能性も考えられています。
ただし、カフェインは胃酸分泌を促進するため、飲み過ぎると消化器官が刺激を受けて下痢や吐き気につながる可能性があります。特に空腹時にはコーヒーを飲み過ぎないようにしましょう。
また、カフェインの利尿作用によって、水分が不足してしまうことも。水分補給が目的の際は、コーヒー以外にも他の飲み物を合わせて飲むのがよいでしょう。
コーヒーに入っているカフェインの量
コーヒー100mlには、約60mgのカフェインが含まれています。他の飲み物と比較してみましょう。
・玉露…約160mg
・紅茶…約30mg
・ウーロン茶…約20mg
・コーラ…約10mg
玉露には多くのカフェインが含まれていますが、気軽に飲める飲み物の中では、コーヒーに多く含まれていることが分かります。マグカップのコーヒーを200ml前後と想定すると、1杯で120mg前後のカフェインが摂取可能です。
なお、インスタントコーヒーのカフェインは100mlあたり約57mgとなるため、豆から抽出したコーヒーに比べると若干少なくなります。反対に、缶コーヒーには1缶90~160mg程度含まれているため、ドリップコーヒーよりも摂取しやすいです。
また、同じドリップコーヒーでも、コーヒー豆の種別によってカフェイン量は変わります。「どのコーヒー豆を選ぶか」「ドリップコーヒー・インスタントコーヒー・缶コーヒーのどれを飲むか」という2点を使い分ければ、カフェイン摂取量のコントロールがある程度可能です。
コーヒーは1日何杯まで?
まず、カフェインの摂取量は、健康な成人なら「1日400mgまで」が望ましいというデータが欧米諸国の研究から示されています。
コーヒーの量に換算すると、200~300mlのマグカップなら2~3杯前後です。コーヒー豆の種類やカップの大きさによってもカフェインの摂取量は変わるため、あくまで目安として参考にしてください。
妊娠中や授乳中の人は、カフェインの摂取量を200mg以下に抑える必要があります。なお、カフェイン摂取量の幅は個人差が大きいため、体に不調を感じる人は量を減らしてみましょう。
見落としがちなのがコーヒー以外に含まれるカフェインです。紅茶やウーロン茶、エナジードリンク、ガムなどにも含まれているので、過剰摂取にならないように心掛けてください。
カフェインの作用を効果的に得るには、コーヒーを飲むタイミングが大切です。日中に眠気覚まし目的でコーヒーを飲む場合は、「体にカフェインが無い状態で、眠くなる前に飲む」のがポイントです。
コーヒーを飲んだ後、カフェインが血中を巡って効果があらわれるには、少し時間が掛かります。眠気を感じてからコーヒーを飲んでもタイミングが合わないので、うまく時間を調整して飲んでみましょう。
コーヒーの量とタイミングを調整してカフェインの効果を引き出そう
コーヒーに含まれるカフェインには、覚醒作用や血流促進効果、利尿作用などがあります。気軽にカフェインを摂るための飲み物として、コーヒーは欠かせません。眠気覚ましに効果を発揮しますが、飲み過ぎると消化器官に負担が掛かる側面も。
カフェインの摂取量は1日あたり400mgに留めることが推奨されています。カップの大きさやコーヒー豆によっても異なりますが、コーヒーの杯数は2~3杯前後を目安にしましょう。シャキッと眠気を覚ます目的でコーヒーを飲むなら、眠くなる前にコーヒーを飲むのがおすすめです。
コーヒーの量や飲むタイミングをうまく調整して、毎日のコーヒーを効果的に活用してくださいね。