【銀座】Café de l’Ambreでいただくオンリーワンの珈琲

銀座の珈琲専門店「Café de l’Ambre(カフェ・ド・ランブル)」は、戦後間もない1948年創業し、オーナーのこだわりを詰め込んだ一杯を提供し続けています。日本珈琲界の始祖と呼ばれることもある珈琲をじっくりご紹介します。

銀座八丁目の裏にたたずむ昔ながらの佇まい

image

東京メトロ銀座線から徒歩5分程度に位置する銀座八丁目。オフィスビルが立ち並ぶ界隈の少し裏手に「Café de l’Ambre」はあります。

置き看板に書かれているのは、「珈琲だけの店」の文字。他にはない老舗の風情を漂わせる外観は、懐かしさと力強さを感じさせます。

l’Ambreとはフランス語で琥珀を意味する言葉。澱みのない洗練された珈琲のみが纏う色であり、この店の屋号の由来となっています。

創業者の関口一郎氏は、戦後まもなく映画館関係の機材を取り扱う仕事をしており、応接室で取引関係者にコーヒーを出して接待していたとのこと。そのコーヒーがおいしく、商談がなくてもコーヒーを飲みに来る人が大勢いたそうです。

“(和訳)最初はエンジニアでした。映写機などの映画機器を扱っていました。コーヒーが好きだったので、趣味として勉強を始めました。焙煎や淹れ方を試したり、時にはオフィスに来たお客さんのためにコーヒーを淹れたりもしました。多くの人が、今まで飲んだコーヒーの中で一番おいしいと言ってくれた。彼らがコーヒーを楽しむ姿、その表情……素晴らしかった。コーヒーを追求したくなりました。”

関口氏が入れる珈琲にはファンがつくようになり、その人たちの要望もあって、1948年(昭和23年)に、西銀座の路地奥で珈琲専門店「Café de l’Ambre」は開業します。

隣接するレストランからの出火により、現在の銀座八丁目に移転。オーナーの関口氏は2018年3月に104歳で逝去されていますが、100歳を超えても店に顔を出していたそうです。

現在は、彼と一緒に働いていた若いバリスタたちがこの店を継承し、創業からこれまで「珈琲だけ」の店のストーリーを続けています。

常連客には、川端康成や永井荷風といった著名人もおり、現在では常連客に加え海外からの観光客も多く訪れています。

ブラジル産やコロンビア産、タンザニア産など、世界中から厳選して集めた珈琲豆は、すべて自家焙煎。一切妥協することなく、最適なタイミングで提供されます。

メニューは文字通り「珈琲だけ」

Café de l’Ambreの特徴はメニュー。看板にもあるように、さまざまなテイストや飲み方を楽しめる「珈琲だけ」がメニューに書き記されています。

一般的な喫茶店でも提供される「ブレンドコーヒー」「ストレートコーヒー」に加えて、目を惹くのが「ランブルオリジナル」。

 なかには、メニューを見ただけでは想像がつかないようなものもあり、店に訪れた人の好奇心を掻き立てます。

シャンペングラスでいただく「琥珀の女王」

Café de l’Ambreのメニューのなかでも、ひときわこだわりを感じられるのが「ブラン・エ・ノワール」(シングル1,000円、ダブル1,500円)です。 

別名「琥珀の女王」とも呼ばれるこのコーヒーは、カップではなくシャンパングラスでいただくというもの。 

グラニュー糖が入った珈琲をシェーカーで冷やしたのち、こちらも冷やしたシャンパングラスに注いでから、最後にエバミルクを追加。 

珈琲とミルクがきれいに2層になったその見た目はたいへん美しく、気品を感じられます。 

珈琲にはほんの少しカラメルが加えられており、濃厚なエバミルクと相まって、これまでに体験したことがない「唯一無二の珈琲」を味わえます。 

常連客は、この珈琲を「7番をください」と注文するとのこと。これまでの珈琲の概念が変わってしまうかもしれません。 

熟成豆の珈琲が楽しめる名店

Café de l’Ambreのもう1つの特徴が、熟成豆の珈琲を楽しめること。 

メニュー表には「コールド」を表す「C」のほかに、「★」がついたストレートコーヒーが存在します。 

これは、この店で10年以上寝かせた熟成豆を使った「オールドコーヒー」を意味します。 

一般的な喫茶店では、熟成豆の珈琲を取り扱ってないケースも多いもの。湿度管理された貯蔵庫でしっかり寝かせた豆を扱っているのも、Café de l’Ambreならではです。 

すべての珈琲は注文が入ってから豆を挽き、一杯ずつ丁寧に淹れられるため、コーヒーの奥深い風味を存分に楽しめます。 

オールドコーヒーは、まるで極上のウィスキーを嗜んでいるような感覚。これまでに体験したことがない香りや苦み、酸味は、別の飲み物を飲んでいるように感じられるかもしれません。

Café de l’Ambreで提供される不純物がない澄んだ珈琲には、品格すら感じられます。銀座を、日本を代表する珈琲専門店に足を運んでみてはいかがでしょうか。 

店名Café de l’Ambre(カフェ・ド・ランブル)
連絡先03-3571-1551
予約可否不可
住所東京都中央区銀座8-10-15 SBM BLDG 1F
アクセス・東京メトロ銀座線「新橋駅」1番出口から徒歩5分・東京メトロ銀座線、日比谷線「銀座駅」A4出口から徒歩6分・JR新橋駅銀座口から徒歩7分
営業時間火~土/12:00~21:00(L.O.20:30)日・祝/12:00~19:00(L.O.18:30)※定休日:月曜日
支払方法・クレジットカード不可、電子マネー不可、QRコード決済不可
備考・全席禁煙、駐車場なし
ホームページhttp://www.cafedelambre.com/
Instagramhttps://www.instagram.com/ginzacafedelambre/
投稿者アバター
コーヒーステーション編集者
自分ではなかなか難しいコーヒー選びをサポートすること。コーヒー器具の開発、販売を手がける株式会社ハリオ商事自ら、コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の選び方などを発信しています。

関連記事

  1. “タリーズコーヒーと八十二銀行が創る新しいコミュニティー空間”「タリーズコーヒー 八十二銀行伊那北店」を9月8日(月)オープン

  2. 「おいしい」は、自分の中にある。──コーヒーと哲学の交差点、MUI を訪ねて

  3. 韓国好き必見!新大久保で大人気「SEOULCAFE」の魅力徹底解剖!

  4. 滋賀県高島市マキノエリアに新たなカフェスペースが誕生。「TaLaBrew」2025年7月21日(月・祝)より、プレオープンスタート。

  5. 新大久保太っちょマカロンで大人気な「macapresso(マカプレッソ) 本店」を徹底紹介!

  6. 新大久保2Dカフェ|絵画のような異空間で写真映え!アクセス、メニュー、予約まで徹底ガイド

パックマンV60セラミックドリッパーセット
  1. 透明な蓋碗(がいわん)が映す“抽出の美しさ”— HARIO…

  2. 2025年発売 ハーゲンダッツ フレーバー総選挙 ミニ…

  3. ≪大丸福岡天神店 初出店≫JR東日本おみやげグランプリ…

  4. “11月から新デザインに”『JACK IN THE DONUTS』イオ…

  5. 眠るためにコーヒーを飲む?ネスカフェ 睡眠カフェで…

  6. 関西初!黒豆や求肥をつかった店舗限定パンも登場 「…

  7. 【TruffleBAKERY】九州初の「TRUFFLE mini博多駅店」…

  8. コーヒーフレッシュは健康に良くない?代わりにコー…

  9. 【冬限定】“小さいほど甘い”新作『プチあま焼きいも…

  10. 下関の人気店 ALLEYのセカンドブランド「PORTO HAUS…

  1. 急須もドリッパーも不要!ハリオの多機能マグ「ティ…

  2. 美しさと機能美をひとつに。AYAシリーズ『ドリップス…

  3. HARIO薄吹きグラスで贅沢なひとときを。耐熱ガラスの…

  4. ソロ・デュオキャンパー必見!Zebrang『ノマド ドリ…

  5. ハリオの「薄吹きグラス」で変えるコーヒータイム。…

  6. いつでもどこでも“本格ドリップコーヒー”が味わえる…

  7. 【徹底レビュー】保温・保冷タンブラー「ゼブラン コ…

  8. ハリオのマグ1つでお茶もコーヒーも!「ティー&…

  9. 忙しい朝に大活躍!手入れが便利な『全自動コーヒー…

  10. 世界で認められているHARIO(ハリオ)の「V60透過ド…

美味しいコーヒーを自分で煎れよう