現代では、朝・昼・夜とさまざまなシチュエーションでコーヒーが飲まれています。
それはすでに毎日の自然な風景であり、コーヒーはすでに私たちの暮らしから切り離せない存在になっているとも言えるでしょう。
そして、サードウェーブと呼ばれる最近のコーヒー人気ではドリップコーヒーが再び注目を集め、自分でコーヒーを入れて楽しむスタイルまで広がってきていますよね。
お気に入りの豆を買い、自宅でもおいしいコーヒーを入れて楽しみたい、そう思っている人も多いでしょう。
けれども、もう一方では自宅でドリップコーヒーを始めてみようと思っても、どんなドリッパーを選べばよいかわからず躊躇している人もいるようです。
それならば、まずはプラスチックのドリッパーから始めてみるのがおすすめです。
今回は、ドリップコーヒー初心者も安心して使えるプラスチック製のコーヒードリッパーにフォーカスして、その特徴や魅力をお伝えします。
AS樹脂・プラスチック製ドリッパーの特徴
私たちの身の回りにはプラスチックが使われているものがとても多いですよね。
プラスチック製品は軽くて取り扱いやすく、また、購入するうえでも安価なものも多いため、気軽に使えるのは大きな利点と言えるでしょう。
ところで、プラスチック製と一口にまとめて呼んでしまっていることが多いのですが、プラスチックの中にもいろいろな種類があるのはご存じでしょうか?
プラスチックは熱に弱いと思われがちですが、ポリカーボネートやシリコン樹脂のように熱に強いものもあれば、成分の違いによって堅く衝撃に強いもの、燃えにくいものなど、さまざまな特徴を持っているのです。
その中でも、最近コーヒーのドリッパーに多く使われているのはAS樹脂という素材です。キッチンツールの中では、調味料容器などにも使われています。
プラスチックなのですが耐熱温度は80℃~100℃あり、コーヒーを抽出するのに使われる80℃~95℃という温度にちょうど当てはまりますので、コーヒーをドリップするのに適した素材とえるでしょう。
そしてガラスのように透明性が高く、それでいて衝撃にも強い。また、引っ掻き傷のような表面に傷がつきにくいなど、見た目が美しく保たれるのも人気の秘密のようですよ。
プラスチック製のメリット・デメリット
では、ここでプラスチック製のコーヒードリッパーのメリットやデメリットをさらに詳しく見ていきましょう。
【プラスチック製ドリッパーのメリット】
・軽くて使いやすい
・丈夫で壊れにくい
・購入しやすい手ごろな値段
・コーヒーの抽出温度が保てる
プラスチック製のコーヒードリッパーは数百円で手に入り、コストパフォーマンスが高いものも多くあります。購入しやすい手ごろな価格のため、コーヒーを入れる頻度があまり高くない人にもおすすめです。
そして、プラスチックは軽量なので使いやすく、落としても割れる心配が少ないので気軽に使えます。
また、軽くて丈夫と言うことは、持ち運びしやすいということでもあります。プラスチック製のドリッパーなら旅行に行く時やアウトドアにも楽に携帯できますので、自宅でコーヒーを入れる時だけでなく出かけた先で少しリラックスしたい時にも活躍してくれるでしょう。
軽くて丈夫な点や、価格などに注目が集まりやすいプラスチック製品ですが、実はコーヒーをドリップするうえで重要なポイントも押さえられる、ということはあまり知られていません。
コーヒーの味が、抽出するお湯の温度と深くかかわっていることはよく知られていますよね。
プラスチック製のドリッパーは温まりにくい反面、一度温まると非常に冷めにくい素材でもありますので、好みの味を出すために抽出温度を保つのにも優れた点を持っているとも言えるのです。
【プラスチック製ドリッパーのデメリット】
プラスチック製のドリッパーに限定することなく、プラスチック製と言うことを広くとらえると、種類が多くなる分見た目も含めて質の差が大きくなる点があります。
安価であることはチープな雰囲気とも表裏一体であったり、劣化による頻繁な買い替えにつながったりする場合もあります。
また、プラスチック製だけでなく、陶器製や金属製ドリッパーにも言えることですが、透明でないドリッパーはお湯の流れが見えないため、蒸らし具合や抽出具合を調整しにくいというデメリットがあります。
プラスチック製ドリッパーで視認性の高いものを求めるなら、透明タイプのプラスチックを選ぶことをおすすめします。
プラスチック製は手に入れやすいドリッパーですが、信頼のおけるブランドの製品を選んでおくほうが費用対効果も高く安心できると言えるかもしれませんね。
プラスチック製ドリッパーの使い方
プラスチック製ドリッパーのメリットやデメリットがわかりましたので、それらを踏まえたうえで、どのように扱えばよいのでしょうか。
まず、コーヒーを入れる際には、沸騰したお湯に上がる泡が収まるのを待つことでコーヒーの抽出とドリッパーの耐熱温度に合うようになりますよ。
また、プラスチックは加工しやすい素材ですので、プラスチック製ドリッパーの中には、内壁に独自のリブを入れてコーヒーをおいしく入れる工夫を凝らしているものもあります。
お湯の流れに影響を与えますので、お湯を注ぐ場合はコーヒーの中心にゆっくりと真上からお湯を注いでいきましょう。
ドリッパー使用後は、スポンジなどで優しく洗えば細かい傷によるコーヒーの色素付着も防げますよ。
ドリップコーヒーを始めてみよう
プラスチック製ドリッパーは手ごろな価格で手に入り扱いやすいドリッパーです。
初心者にとっても手に入れやすいメリットがありますが、ドリップコーヒー上級者に愛用され続ける魅力を持ったものもあります。
まずは気負わずにプラスチック製ドリッパーを手に入れて、初めの一歩を踏み出してみてください。