キャンプなどのアウトドアシーンで入れる一杯のコーヒーは格別の味です。特に自分で焙煎した豆で入れるコーヒーは最高に美味しいと感じられますが、「キャンプ場では難しい」と考えている人も多いでしょう。
しかし、ロースターを使えば簡単に焙煎することができます。
今回は、キャンプで豆を焙煎する方法を解説します。
キャンプでコーヒー豆を焙煎【準備編】
キャンプでコーヒー豆を焙煎するには、何を用意したら良いのでしょうか。ここでは、アウトドアシーンでコーヒー豆を焙煎するために準備するものを紹介します。
【必要な道具は?】
アウトドアシーンでコーヒー豆を焙煎するために用意する道具があります。
・コーヒーの生豆
まず、コーヒーの生豆は絶対に必要です。
コーヒーの生豆は、スーパーなどであまり売っていないので、専門店で購入する必要がありますが、焙煎された豆よりもリーズナブルなので、普段よりも少し良いスペシャリティーコーヒーにチャレンジしてみても良いでしょう。
コーヒーの生豆を購入したら、ハンドピックをして欠点豆などを取り除いておくことも大切です。
・煎り手網もしくはハンドロースター
煎り手網は、網から焙煎具合を目視できるので、自分好みの焙煎具合に仕上げやすい特徴があります。また、購入しやすい価格なので、焙煎初心者におすすめの道具です。
ハンドロースターは、コーヒー豆を焙煎するために作られた焙煎機なので、煎りムラが出にくいように凹凸のある特殊構造になっています。そのため、焙煎が安定するメリットがあります。
また、空気穴から冷たい空気が入るので、焙煎に適した温度をキープできますが、中が見えにくいので煎り過ぎてしまうことがあります。
・カセットコンロ
ローストするためにカセットコンロが必要ですが、焚き火でも大丈夫です。
・軍手
持ち手が熱くなるので、軍手も用意すると良いでしょう。
・クリップ
煎り手網に豆を入れ、火にかけると豆が飛び出すこともあるのでふたの左右をクリップで留めるために必要です。
・ドライヤーもしくは団扇
ローストした豆を冷やすために使います。
【準備の手順】
豆をローストするためには、どのような手順で準備をすれば良いのでしょうか。
・生豆を量る
まず、煎り手網やハンドロースターに合わせて豆の重さを量ります。大量の豆を煎り手網やハンドロースターに入れてしまうと焙煎ムラの原因となるので、自分の持っている焙煎機に適した量にすることが大切です。
・生豆を洗う
計量した生豆をザルやメッシュの袋に入れて軽くこすり洗いをします。これは、焙煎中に舞う薄皮を取り除くことが目的なので、「アウトドアだから、薄皮が舞っても大丈夫」と考える場合は、洗う必要はありません。
また、水に触れる時間が長いと生豆が水を吸ってしまうので、手早く行いましょう。
・素早く水気を取る
洗った生豆は、キッチンペーパーやタオルなどで素早く水気を取ります。
キャンプでコーヒー豆を焙煎【手順編】
生豆の準備が整ったら、いよいよ焙煎を行います。ここでは、煎り手網での焙煎手順を解説します。
1.煎り手網に豆を入れる
煎り手網に合った量の豆を入れます。
2.バーナーやコンロ、炭に着火
バーナーやコンロを弱火から中火にします。焚き火や炭火だと煎り手網やロースターを振ったときに熱が届きやすいのでムラなく仕上げることができますが、豆を洗う前に火を熾しておくようにしましょう。
3.煎り手網を火にかざす
煎り手網を火元から20cmほど離して左右に振り続けます。
最初は、青臭い匂いを感じますが、徐々に自家焙煎のカフェに入ったときのような良い香りがしてきます。このとき、豆に火が均一に入るように常に振り続けることが大切です。
豆の温度が100度を超えてくると内部の水分が蒸発してコーヒー豆の色らしくなってきます。
4.パチンパチンと音がする
豆を煎り続けると「パチンパチン」と音がしますが、この音を「1ハゼ」と呼びます。浅煎りの豆がお好みなら、1ハゼ後で仕上げるのがベストです。
5.ピチピチと音がする
1ハゼが終わり少しすると、1ハゼよりも高い「ピチピチ」という音がします。これが2ハゼです。
2ハゼ以上のローストは、焦げやすくローストの進み具合も早いので、慣れるまでは2ハゼまでのローストで終わらせるようにすると良いでしょう。
6.薄皮を振り落とす
お好みのローストに仕上げたら、煎り手網を逆さにして薄皮を振り落としましょう。
7.一気に冷やす
焙煎した豆は、そのままにしておくとローストが進んでしまうので、ザルに入れてドライヤーや団扇を使ってすぐに冷ますことが大切です。
キャンプでコーヒー豆を焙煎【ポイント編】
コーヒー豆を自分で焙煎するときに注意しておきたいポイントがあります。
・音で焙煎具合をチェックする
コーヒーを焙煎すると、豆のはぜる音で焙煎具合を知ることができます。
おおよその目安ですが、1ハゼの開始直後は、浅煎りのライトロースト、1ハゼのピーク時は、シナモンロースト、1ハゼの終わりごろの豆は、ミディアムローストです。
2ハゼが始まる前は、ハイロースト、2ハゼが始まった直後はシティロースト、ピーク時はフルシティロースト、2ハゼの終わりは、フレンチローストかイタリアンローストになります。
焙煎ビギナーの場合は、浅煎りで焙煎しようとすると芯が残ってしまうことが多いので、慣れるまでは2ハゼが始まったころのシティロースト以上の焙煎が良いでしょう。
・うまく焙煎できたかチェックする
焙煎がうまくできたかは「豆の水分がなくなり十分膨らんでいる」「煎りムラがない」「しわが伸びている」「焦げていない」がチェックポイントとなります。
・焙煎後の豆の重さ
コーヒー豆は、焙煎すると水分がなくなるので、2~3割ほど軽くなります。
また、焙煎する豆の量を多くしてしまうと煎りムラになってしまうことがあるので、慣れるまでは50g程度を目安に焙煎するようにすると良いでしょう。
自分でローストしたコーヒー豆を味わおう!
焙煎したコーヒー豆は、密閉容器に入れて豆のガスが抜けるまで2~3日ほど寝かしてから飲むのが最も美味しいといわれています。
そのため、その場ですぐに飲むだけでなく、キャンプ場で焙煎したコーヒー豆を持ち帰り、自宅で思い出とともに美味しいコーヒーを飲むのもおすすめです。コーヒー豆の味の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。