悩みがちなコーヒー豆の保存、容器はどう選ぶ?

悩みがちなコーヒー豆の保存、容器はどう選ぶ?

おいしいコーヒー豆に出会ったとき、家でも飲みたいと思うのは当然のこと。

けれども、買ってきたコーヒーバッグをそのまま置いておいたら、明らかにコーヒーの風味が失われてしまった、という経験がある人もいるのではないでしょうか。

コーヒーへのこだわりが強い人たちの中には、『コーヒー豆は生鮮食料品』と揶揄する声があるほど、コーヒー豆は保存方法によって風味が落ちやすいと言われており、容器に入れて保存するのが望ましいとされています。

でも、どんなふうに保存をすれば良いのかは悩みどころ。

そこで今回は、自宅でコーヒー豆を保存容器にはどのようなものがあるのか、それぞれの特徴と選び方のポイントをお伝えします。

コーヒー豆の風味を損なう4大要素とは

せっかく買ってきたコーヒー豆の香りや風味、大事にしたいですよね。

なるべくおいしさを保つために、どのような保存容器を選べば良いのでしょうか?

その疑問を解決するためには、まず『何が保存中のコーヒー豆にダメージを与えるのか』を知っておく必要があるでしょう。

コーヒーを保存する際、最も気をつけたいのが『温度』『紫外線』『湿度』『酸素』の4つの要素です。

コーヒーが湿気を吸収してしまうと、コーヒーにとって最も重要である香りや風味が損なわれてしまいます。

また、長く酸素に触れる状態が続くとコーヒーの酸化が進み、えぐみを感じさせる酸っぱさが強まるなど、明らかな劣化が見られるようになります。

そして、保存場所が高温な場所や紫外線を浴びやすい場所であると、劣化のスピードがさらに速められてしまうとも言われています。

つまり、おいしいコーヒーを長く飲めるように保管するためには、高温多湿な場所を避けたうえで、『密閉性』と『遮光性』の高い容器を選んだり、余分な湿度を吸収してくれるシリカゲルを入れたりするなどの工夫をする必要があると言えるでしょう。

コーヒーキャニスターの選び方・素材別の特徴とは?

最近、食品保存用の機能面以外にも、おしゃれなインテリア性が高く評価され、注目を集めているキャニスター。

缶型やガラス瓶、プラスチックや陶器タイプなど素材や色柄・デザインもさまざまで、見た目でも楽しませてくれますね。

コーヒー豆の保存容器としても人気のアイテムです。

けれども実は、このキャニスタータイプの保存容器は、空気に触れやすい点から1週間程度の期間、常温でコーヒーを保管するのには問題なく使えるのですが、長い期間の保存にはあまり向かない容器と言えるでしょう。

そのため、普段毎日飲むコーヒーを1週間分入れて飲みきる、という利用の仕方がおすすめですね。

キャニスターを選ぶ際には、密閉性が高まる中蓋つきのものや、口の部分にシリコンパッキンがついたもの、金具でとめられるものなどを選びましょう。

瓶やプラスチック類:透明なものは中が見えるので残量が確認しやすい利便性がメリットです。遮光性がないのが難点と言えますが、紫外線防止プラスチックや色付きガラスにすると、遮光性が高められますよ。

缶:透明なガラス瓶タイプより遮光性に優れていますので劣化を防ぐと言えます。ただし、缶特有の金属臭が移る場合もあるようですので、その点には注意が必要でしょう。

陶器やホーロー:遮光性も高く匂い移りもしない素材ですので、コーヒー豆の保管に向いていると言えるでしょう。ただし、缶のように丈夫ではないので丁寧に取り扱う必要がありますね。

コーヒー豆保存袋はどれがおすすめ?

保存袋を使ってコーヒー豆を保存する方法では、気密性の高さが大きなメリットとなります。特に、キャニスターと違って保存容器の形が自在に変えられる点がポイントです。

容器の中に残っているコーヒー豆の量に合わせて小さく丸めながら封をすると同時に、袋の中から酸素を押し出せるので、コーヒー豆と酸素が触れる量が少なくなり、酸化を遅らせられます。

また、かさばらずに保管できるため、冷蔵庫や冷凍庫などいろいろな保管場所に対応できる点も利点と言えますね。

2週間ほどの保存なら、保存袋に入れて冷蔵庫保管、1か月ほどの保管なら、アルミバッグに入れて冷凍庫保管がおすすめです。

いずれの場合も、冷蔵庫の開け閉めや取り出しの際、コーヒー豆が湿気を含みやすくなるので、シリカゲルを同封して余分な湿気からコーヒー豆を守りましょう。

フリーザーバッグ
ファスナーが二重になっているものなど、密閉性が高く真空に近い状態にできるためコーヒー保存に向き、長くおいしさを保てるでしょう。

遮光性が低い点がデメリットですが、冷蔵・冷凍庫内の保存に使用するのであれば、それほど大きなデメリットにはならないと言えますね。

アルミバッグ
アルミバッグは、コーヒー豆を購入する際のパックとしてよく使われています。密閉性・遮光性ともに優れているため、普段使いから冷蔵・冷凍庫での長期保存までオールマイティーに活躍し、コーヒー豆保存にとても適していると言えるでしょう。

フリーザーバッグのように、より強い密閉性のあるファスナーがついたものを選べば、さらに真空状態に近づけられ保存効果もより高まりますよ。

シーン別に見るコーヒー豆保存容器の選び方

コーヒー豆の保存容器について素材別の特徴を見てきましたが、「それだけではちょっとつまらない」または「それぞれの特徴は分かったけど、それでもまだ決めかねる」と思ってしまうもいるかもしれませんね。

そこで、お気に入りの保存容器を見つけるためのちょっとしたヒントになることをお話ししましょう。

コーヒーを上手に保存するための容器なのですが、保存の点にだけ注目するのではなく、自分のライフスタイルや目的・シーン別に容器を捉えてみると、自分がどんな保存容器を使いたいかが見えてくるかもしれませんよ。

1.どこで飲むのか
例えば趣味がアウトドアの場合、キャンプに持って行けるよう携帯性を良くしたキャニスターも存在します。

アウトドアで持ち運ぶなら、こぼれないよう密閉性が高く、頑丈かつ軽量なものが必要ですし、また、オフィスにも持って行きたいならデザインも考慮してシンプルな方が良さそうですね。

2.分量で選ぶ
朝にだけコーヒーを飲む人もいれば、1日に何回もコーヒーを飲む人もいます。また、家族の人数にもよって消費量は変わってきますよね。

コーヒーは焙煎後から劣化が進みますから、なるべく新鮮なうちに飲む方がおいしいです。そのため、3週間から1か月の間に飲みきる量を想定して、それがちょうど収まる大きさのものが適性のサイズと言えるでしょう。

3.インテリアの一部にする
どのように暮らしているか、ライフスタイルは人それぞれです。そして、インテリアもまた然り。

最近は見せる収納など、生活用品も上手に飾りながら使えるおしゃれなアイテムが増えています。保存の目的だけではなく『飾る』を意識して容器を選んでみるのも選択肢のひとつですよ。

4つの要素を押さえてコーヒー豆を美味しく保存!

『コーヒーは生鮮食料品』とは言い得て妙。

少し笑ってしまいそうになりますが、コーヒーへの愛情が強く感じられる表現ですよね。

コーヒー豆を保存する際、『温度』『紫外線』『湿度』『酸素』の4つの要素をできるだけ排除しながら、なるべく長くおいしさを保てる容器に保存しましょう。

自分のライフスタイルとも照らし合わせながら、コーヒータイムが至福のひと時になるような、お気に入りの保存容器に出会えると良いですね。

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