コーヒーを飲まなくても、女性はカフェに行く―。「飲食の場」から「体験の場」へ進化するカフェ市場

 女性インサイト総研を有する株式会社ハー・ストーリィ(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:日野佳恵子)は、全国の男女2,053人を対象に実施した「カフェ利用に関するWEBアンケート」の結果を発表しました。

 調査の結果、男性は飲食や休憩といったシンプルな目的で利用する一方、女性は交流やリフレッシュ、期間限定メニューの購入など、場の意味や体験を重視する傾向が浮かび上がりました。

◆調査概要

「カフェ利用に関するアンケート」

調査期間:2025年6月12日(木)~17日(火)

調査対象:15歳以上の男女2,053人(男性:169人、女性:1,884人) 

調査方法:インターネット調査

調査会社:株式会社ハー・ストーリィ

◆8割以上が普段、カフェを利用する

出展:HERSTORY REVIEW8月号

 カフェの利用頻度を見ると、「時々利用する」が60.0%と最も多く、カフェは多くの人にとって日常生活の一部となっていることがわかります。また、「よく利用する」と回答した人も全体の約2割にのぼり、頻繁にカフェを訪れる層も一定数存在していることから、継続的な接点を持つ場として定着している様子がうかがえます。

◆男性はカフェを“飲む場所”、女性は“楽しむ空間”として利用

出展:HERSTORY REVIEW8月号

 男性はカフェを飲食や休憩の場として利用する傾向が強く、利用目的がシンプルなため1人での利用が多いと推測されます。一方、女性は会話や限定商品の購入、家族との時間など、複数の目的を重ねて楽しむ傾向があります。さらに、飲食だけでなく、交流や気分転換の場として活用しており、チケットなどギフト利用も多く見られました。こうした違いから、カフェは性別によって求める役割や価値が大きく異なる場所となっていることがわかります。

◆男性は“ブラック一択”、女性は“選んで楽しむ”

出展:HERSTORY REVIEW8月号

 男性はブラックコーヒーの購入が圧倒的に多く、購入内容も限定されており、“目的買い”の傾向が強いことがわかります。一方、女性はスイーツや甘いドリンク、グッズなどを幅広く購入しており、“ついで買い”や“体験消費”としてカフェを楽しむ様子がうかがえます。つまり女性は、コーヒーを飲むためだけでなく、気分や場の楽しさを重視してカフェを利用しているのです。

◆女性は様々な相手とカフェを利用

出展:HERSTORY REVIEW8月号

 女性は「友人・知人(52.5%)」「子ども(26.4%)」「親・兄弟姉妹(15.6%)」など、より多様な相手とカフェを利用している点が特徴的。カフェが女性にとって人との交流や関係性を深める場として活用されていることが読み取れます。一方、男性は1人利用の比率が高く、カフェを“個人の時間”として使う傾向が強いようです。

◆よく利用するカフェは、男女ともにスターバックスが1位に

出展:HERSTORY REVIEW8月号

全体と比べて有意差が見られたカフェは以下のとおり。

  • 男性:コメダ珈琲、ドトールコーヒー、カフェドクリエ、エクセルシオールカフェ

→男性は単独での利用がほとんどだからこそ、落ち着いた雰囲気や手頃な価格帯のもの、作業しやすい環境を好む傾向。

  • 女性:スターバックス、個人経営のカフェ、タリーズコーヒー、サンマルクカフェ、百貨店・商業施設に入っているカフェ、ゴンチャ

→1人で、子どもと、ママ友と、など多様な人との利用やシーンによりカフェを選ぶため、価格帯や雰囲気もさまざまなカフェが多い。

◆男性は「飲む」単一的な理由、女性は「過ごす」多面的な理由

出展:HERSTORY REVIEW8月号

 男性はカフェ本来の機能(コーヒーの質、飲食)を重視してカフェを選ぶ傾向があります。一方、女性は「限定メニュー」「会話のしやすさ」「テイクアウトしやすさ」など、利用シーンや相手に合わせて柔軟に選ぶ傾向が強く、ママ友・子ども連れ・高齢の親といった相手に応じた使い分けも見られます。

このことから、男性は“場所を選ぶ”、女性は“使い方を選ぶ”という視点の違いが浮かび上がります。

◆「飲む場所」から「楽しむ空間」へ進化するカフェ

 カフェはかつての「飲食の場」から、「リラックス」「会話」「ご褒美」「推し活」など、多様な価値が重なり合う“体験の場”へと進化しています。調査結果からは、男性は飲食や休憩など目的が明確な“機能消費”が多く、1人利用中心であるのに対し、女性は会話や限定商品、家族との時間など“感情や意味”を重視する使い方が目立ちました。

 また、購入商品にも違いがあり、男性はブラックコーヒー中心、女性はスイーツや甘いドリンクなど嗜好性が高く多様です。こうした違いはカフェに限らず、あらゆる業種における「価値設計」や「ターゲット戦略」に活用可能です。

 今後のマーケティングでは、性別やライフステージごとに「機能」と「感情」どちらの価値が選ばれるかを見極める視点がより重要になります。ハー・ストーリィでは、女性インサイトを起点にした調査・分析・企画提案を通じて、こうした視点の導入をサポートいたします。

◆本調査の詳細は『HERSTORY REVIEW』8月号でご紹介

女性インサイトレポート「HERSTORY REVIEW」は、HERSTORYが運営する法人クラブ「inher」の会員向けの会報誌です。inherでは女性インサイト研究に特化した定額サービスを展開しています。

法人クラブ詳細はこちら

◆女性インサイト総研 株式会社ハー・ストーリィについて

女性の消費行動や深層心理を、ライフコース(職業・家族構成を加味した人生コース)とライフステージ(年齢・年代という人生の立ち位置)の交点から10のクラスターに分類し、定点的に研究・分析を行っています。そこから導き出した29の女性ペルソナをもとに、企業の商品開発や販促支援を行う、「女性インサイト」を活用したコンサルティング会社です。

【会社名】株式会社ハー・ストーリィhttps://www.herstory.co.jp/

【所在地】〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1-37-8 ワコーレ三軒茶屋64ビル 3F

【TEL】03-6805-3743

【事業内容】⼥性視点マーケティング®事業(コンサルティング/研究調査/専⾨情報出版/マーケティング⽀援/⼈材育成⽀援)

【設⽴】1990年8⽉20⽇

【代表取締役】⽇野 佳恵⼦

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000112.000023043.html

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